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総付景品とは?上限額と懸賞との違い、キャッシュバックの扱いを解説

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総付景品とは?上限額と懸賞との違い、キャッシュバックの扱いを解説

申込のキャンペーンで「もれなくプレゼント」を企画するとき、特典の金額をいくらまでにしてよいのか迷ったことはないでしょうか。

申込者の全員に渡す特典は、景品表示法では総付景品と呼ばれ、渡せる額に上限があります。広告主やマーケティング担当者の方は、下記のような悩みを抱えていることも多いでしょう。

  • 総付景品が何を指し、抽選の懸賞と何が違うのか分からない
  • 口座開設やカードの申込の特典を、いくらまで渡してよいのか判断できない
  • キャッシュバックやポイントが景品に当たるのかを知りたい

総付景品の上限は、特典そのものの値段だけでは決まりません。申込の条件から「取引の価額」を決め、その10分の2と比べるため、条件の組み方しだいで同じ特典が上限を超えることもあります。

本記事では、総付景品の意味、景品規制の中での位置、上限額と取引の価額の決め方、上限が適用されないもの、申込の特典の例、キャッシュバックの扱い、保険の特典の決まり、企画するときの注意点を解説していますので、ぜひお役立てください。

この記事でわかること

  • 総付景品は、購入者や申込者にもれなく、または先着順で渡す景品類
  • 上限は取引の価額の10分の2で、取引の価額が1,000円未満なら200円まで
  • キャッシュバックは原則として値引きだが、金銭か物品かを選ばせると景品類になる
  • 保険では、景品表示法に加えて保険業法の特別の利益の提供の禁止も確かめる
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総付景品は購入者や申込者にもれなく渡す景品類

総付景品とは、商品やサービスの購入者や来店者、申込者に、抽選などによらず、もれなく、または先着順で提供する景品類のことです。

「総付け景品」や「ベタ付け景品」とも呼ばれます。先着順で渡すものも含めて、消費者庁は総付景品を次のように説明しています。

一般消費者に対して「懸賞」によらないで提供する景品類は、一般に「総付(そうづけ)景品」などと呼ばれており、例えば、商品又は役務の購入者や来店者に対してもれなく提供する景品類などがこれに当たります。また、商品若しくは役務の購入の申込み順又は来店の先着順により提供する景品類も、原則として総付景品に該当します。

引用:総付景品について|消費者庁

「申込者全員に1,000円分のギフト券」「先着500名にオリジナルグッズ」のような特典が、総付景品の典型です。抽選で当たる特典とは、当てはまる決まりがまるで違います。申込を増やすリード獲得の施策として特典を使うときも、抽選か、もれなくかを最初に分けてから、決まりを確かめましょう。

総付景品に当たるのは景品類の3つの要件を満たすもの

ギフト券でもポイントでも、渡すものが景品表示法の「景品類」に当たらなければ、総付景品の決まりは適用されません。

景品類に当たるかどうかは、消費者庁がまとめた次の3つの要件で判断します。

  1. 顧客を誘引するための手段であること
  2. 事業者が自己の供給する商品やサービスの取引に付随して提供すること
  3. 物品、金銭その他の経済上の利益であること

「取引に付随して」には、購入や申込を条件にする場合のほか、来店者に渡す場合なども含まれます。3つ目の「経済上の利益」も、思ったより広い言葉です。物品だけでなく、金銭、商品券、ポイント、招待や優待も景品類になりうると考えておきましょう。

先着順の特典も原則として総付景品に当たる

先着順で渡す特典は、偶然や優劣で相手を決めるものではないため、懸賞ではなく原則として総付景品に当たります。

ただし、Webサイトや電話の申込順で渡す場合に、申し込む時点で特典をもらえるかが分からないと、懸賞とみなされることがあります。申し込んだ人から見れば、もらえるかどうかが運で決まっているのと変わらないからです。先着順にするなら、下記の3点を満たしているかを見ておきましょう。

  • 申し込んだ人が、その場で特典の対象かどうかを知ることができるか
  • 先着の人数と、残りの数を示しているか
  • 対象から外れた人に、そのことを伝えられるか

懸賞とみなされると、一般懸賞の上限と総額の決まりが適用されます。先着順にするときは、申し込んだ時点で対象かどうかが分かる仕組みにしておくのが前提です。

総付景品は景品規制の3つの区分の1つで懸賞とは上限の決め方が違う

景品表示法の景品規制は、一般懸賞、共同懸賞、総付景品の3つに分かれており、区分ごとに上限の決め方が違います。

景品表示法の景品規制の3つの区分の図。一般懸賞は抽選やクイズの正誤などで渡すもので、最高額は取引の価額が5,000円未満なら20倍、5,000円以上なら10万円、総額は売上予定総額の2%まで。共同懸賞は商店街などが共同で行う懸賞で、最高額は30万円、総額は売上予定総額の3%まで。総付景品はもれなくや先着順で渡すもので、最高額は取引の価額の10分の2(最低200円)で、総額の上限はない。購入や来店を条件にしないオープン懸賞は景品規制の対象外

懸賞は、くじなどの偶然や、クイズの正誤、競技の優劣で景品類を渡す相手や額を決める方法です。渡し方と上限を区分ごとに並べると、以下の表のようになります。

区分 渡し方 1人あたりの最高額 総額
一般懸賞 抽選、クイズの正誤、競技の優劣など 取引の価額が5,000円未満なら20倍、5,000円以上なら10万円 懸賞に係る売上予定総額の2%
共同懸賞 商店街や地域の事業者が共同で行う懸賞 30万円 懸賞に係る売上予定総額の3%
総付景品 もれなく、または先着順 取引の価額の10分の2(最低200円) 上限なし

総付景品には、懸賞と違って総額の上限がありません。その分、1人に渡す額の上限は低く決められています。特典の額を大きく見せたい企画ほど、この上限に引っかかりやすくなります。

もれなく渡しても景品の価額に差があると懸賞になる

全員に届くギフト券でも、1,000円か5,000円かがランダムで決まるなら、それは懸賞として扱われます。

受け取る人から見て、偶然で景品の額が決まることになるためです。同じ「全員に渡す」でも、渡し方で扱いは次のように分かれます。

特典の渡し方 扱い
申込者全員に同じ1,000円分のギフト券 総付景品
申込者全員に、1,000円か5,000円のギフト券のどちらかがランダムで届く 懸賞(一般懸賞)
申込者が、同じ額の3つの景品から自分で選ぶ 総付景品

「全員もらえる」と書いても、額が選べずばらつく企画は、一般懸賞の最高額と総額の決まりで確かめる必要があります。総付景品と一般懸賞を同時に行う場合は、それぞれの上限の範囲内で行えます。

購入や申込を条件にしないオープン懸賞は景品規制の対象外

購入や来店、申込を条件にせず、広く誰でも応募できる懸賞は、オープン懸賞と呼ばれ、景品規制は適用されません。

オープン懸賞の上限額は、平成18年4月に撤廃されています。総付景品と並べると、違いは取引を条件にするかどうかにあります。2つを下記に並べました。

  • オープン懸賞:取引を条件にせず、Webサイトなどで広く募集して抽選で渡す
  • 総付景品:購入や申込、来店をした人に、もれなく、または先着順で渡す

「口座を開いた人だけが応募できる」のように取引が条件になっていれば、オープン懸賞ではありません。応募の条件に取引が含まれていないかは、企画の段階で確かめておくと、あとで困りません。

総付景品の上限額は取引の価額の10分の2で最低200円

総付景品で渡せる額の上限は、取引の価額の10分の2で、その額が200円に満たないときは200円までです。

上限は、「一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限」という告示で、次のように定められています。

一般消費者に対して懸賞(「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限」(昭和五十二年公正取引委員会告示第三号)第一項に規定する懸賞をいう。)によらないで提供する景品類の価額は、景品類の提供に係る取引の価額の十分の二の金額(当該金額が二百円未満の場合にあつては、二百円)の範囲内であつて、正常な商慣習に照らして適当と認められる限度を超えてはならない。

引用:一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限(告示)|消費者庁

取引の価額ごとに計算すると、上限は次の図のように変わります。

総付景品の上限額の計算の図。上限額は取引の価額に10分の2をかけた額で、200円に満たないときは200円になる。例として、取引の価額が500円なら上限は200円、1,000円なら200円、5,000円なら1,000円、10,000円なら2,000円、50,000円なら10,000円。取引の価額も景品類の価額も消費税を含んだ額で見る

表にすると、区分は以下の2つだけです。

取引の価額 景品類の最高額
1,000円未満 200円
1,000円以上 取引の価額の10分の2

取引の価額と景品類の価額は、どちらも消費税を含んだ額で見ます。もう1つ見落とされやすいのが、告示の後半にある「正常な商慣習に照らして適当と認められる限度」です。上限の範囲内でもこの限度を超えないことが求められるため、上限いっぱいの額が必ず認められるとは考えないようにしましょう。

それぞれの額の決め方を、詳しく解説します。

取引の価額は景品をもらうのに必要な取引の最低の額で決まる

5,000円以上の申込で渡す特典なら取引の価額は5,000円、というように、取引の価額は、特典をもらうために必要な取引のうち、最も安いものの額で決まります。

消費者庁の運用基準は、特典の条件ごとに、取引の価額の決め方を次のように分けています。

特典の条件 取引の価額
購入額に応じて渡す(例:5,000円以上の申込で渡す) その購入額
購入額の多少を問わずに渡す 原則として100円。通常行われる取引の最低額が100円を超えるときは、その最低額にできる
購入を条件にせず、来店者に渡す 原則として100円。その店で通常行われる取引の最低額が100円を超えるときは、その最低額にできる

平均の額や、中くらいの額を取引の価額にすることはできません。実際の申込者の多くが高い額で申し込んでいても、基準になるのは最も安く特典をもらえる場合の額です。その額を取引の価額にし、その10分の2に特典を収めましょう。

景品類の価額はもらう人がふつうに買うときの価格で決まる

安く仕入れた特典でも、景品類の価額は、特典を受け取る人がそれを通常購入するときの価格で決まります。

協賛の会社から無償で受け取った額で見ることもできません。価額の決め方は、特典の種類ごとに次のように考えます。

  • 市販されているものは、受け取る人が通常購入するときの価格で見る
  • 市販されていないものは、入手した価格や似た品の市価から、通常購入するときの価格を決める
  • 無償で手に入れたものや、売り物にならないものでも、0円にはならない
  • 曜日などで値段が変わるものは、平均ではなく、最も高い値段で見る

オリジナルグッズのように値段の付いていない特典は、額の根拠を社内の資料に残しておくのが安全です。

同じ取引に2つ以上の景品を渡すときは合計で見る

同じ事業者が、同じ取引に付けて2つ以上の景品類を渡す場合は、別々の企画であっても、合計した額で上限を確かめます。

1つずつは上限の範囲内でも、合計すると上限を超えることがあるためです。消費者庁が示す電子マネーの例を、次の表にまとめました。

企画 取引の価額 考え方
10,000円のチャージでもれなく景品 10,000円 チャージと支払いは同じ取引とみられる可能性がある
3,000円の支払いでもれなく景品 3,000円 2つの景品の合計を2,000円(10,000円の10分の2)以内に収める

例えば、3,000円の支払いで渡す景品が500円なら、10,000円のチャージで渡せる景品は1,500円までになります。金融の申込でも、同じことは起こります。入会、初回の利用、一定額の利用のように段階ごとに特典を付けるときは、同じ取引とみられないかを確かめましょう。

総付景品の上限が適用されないものは4つある

景品類に当たる場合でも、次の4つに当てはまるものには、総付景品の上限は適用されません。

いずれも、正常な商慣習に照らして適当と認められるものに限られます。告示が定める4つを、例とあわせて以下に挙げます。

上限が適用されないもの 例
販売や使用、サービスの提供に必要な物品やサービス 重量家具の配送、送料の無料、駐車料金の負担
見本その他宣伝用の物品やサービス 試供品、社名入りのカレンダーやメモ帳、無料体験
自社の取引で使える割引券その他割引を約する証票 自社で使える割引券、他店と共通で同じ額を割り引く割引券
開店披露や創業記念などの行事に際して渡すもの 新規開店や創業記念の記念品

社名入りのボールペンやカレンダーのように、会社の名前を知ってもらうための品は、宣伝用の物品に当たります。ただし、適当な限度を超えて高価なものは当たりません。社名を入れれば何でも宣伝用になる、というわけではないのです。送料の無料も、商品の配送は売るために必要なサービスと考えられるため、通常は有料の送料を一定の期間だけ無料にする場合を含め、正常な商慣習に照らして適当と認められれば上限は適用されません。

総付景品の例:口座開設やカードの申込の特典の場合

口座開設やクレジットカードの入会、ローンの申込にもれなく付ける特典は、総付景品の決まりが当てはまる代表的な例です。

景品表示法の運用基準では、銀行と預金者との関係や、クレジット会社とカードを使う消費者との関係も「取引」に含まれるとされているためです。よくある特典ごとに、確かめたい点を次の表で整理しました。

特典の例 確かめたい点
口座開設でもれなくギフト券 特典をもらうのに必要な最も安い取引が何か
カードの入会でもれなくポイント ポイントが値引きに当たるか、景品類に当たるか
ローンの申込の先着順で記念品 申し込んだ時点で対象かどうかが分かるか
入会と初回の利用のそれぞれに特典 同じ取引とみられて、合計で上限を超えないか

金融マーケティングでは、申込の特典が申込の数を大きく左右します。だからこそ、特典の額を決める前に、取引の価額をどう考えるかを社内の法務の担当者と確かめておきたいところです。

クレジットカードの入会特典は1年分の利用額を含めて考えられる

クレジットカードの入会特典では、取引の価額は入会金と年会費だけでは決まらないという考え方を、消費者庁が示しています。

入会金と年会費の合計に、これから発生しうるカードの利用額を加えたもののうち、通常考えられる最低のものが取引の価額になります。利用額をどこまで含めるかについて、消費者庁は次のように説明しています。

クレジットカードについては、特段の事情のない限り、通常、1年程度は契約を継続するものと考えられます。そのような実態にあると認められる場合、カード利用額については、1年間における利用額の合計のうち通常考えられる最低のものとすることができます。

引用:景品規制について|消費者庁

年会費が無料のカードでも、1年間の利用額の見込みしだいで、取引の価額が変わります。見込みを高く置けば上限も上がりますが、そのぶん根拠が問われます。利用額の見込みをどう置いたかは、根拠の資料と一緒に残しておきましょう。

口座開設の特典は申込の条件から取引の価額を考える

口座開設の特典では、口座を開くこと自体に費用がかからないことが多く、取引の価額の考え方が難しくなります。

特典を受け取る条件によって、比べる取引の額が変わるためです。条件の組み方ごとに、下記のように考えます。

  • 一定額の入金や取引を条件にするなら、その額が取引の価額の候補になる
  • 口座開設だけを条件にするなら、通常行われる取引の最低額を考える
  • 開設の後の利用に特典を足すなら、開設と利用が同じ取引とみられないかを考える

判断に迷う場合は、企画の前に消費者庁の相談の窓口や弁護士に確かめるのがおすすめです。新しい顧客を集める新規顧客獲得の特典ほど額を大きくしたくなるため、上限の確認は企画の最初に置いておきましょう。

総付景品かどうかはキャッシュバックが値引きか景品かで変わる

申込の特典のキャッシュバックは、原則として値引きに当たり、景品類ではないため総付景品の上限は適用されません。

ただし、渡し方によっては値引きと認められず、景品類として扱われます。

キャッシュバックが値引きか景品類かの分かれ目の図。値引きに当たるのは、取引通念上妥当な基準で支払うべき対価を減らす場合や、支払った代金を割り戻す場合で、例は「レシート合計金額の○%割戻し」や「商品シール○枚でキャッシュバック」。値引きに当たらず景品類になるのは、抽選で割り戻す場合、割り戻した金銭の使い道を旅行費用などに限る場合、金銭か物品かを選ばせるなど同じ企画で景品類と一緒に行う場合。景品類になると総付景品や懸賞の上限で確かめる

景品類を指定する告示は、正常な商慣習に照らして値引きと認められる経済上の利益を、景品類に含めないとしています。では、どこからが値引きでなくなるのか。運用基準が示す分かれ目を、以下の表にまとめました。

扱い 当たる場合
値引きに当たる 取引通念上妥当な基準で、支払うべき対価を減らす、または支払った代金を割り戻す
値引きに当たらない(景品類になる) 抽選で割り戻す
値引きに当たらない(景品類になる) 割り戻した金銭の使い道を、旅行費用などに限る
値引きに当たらない(景品類になる) 同じ企画の中で、金銭か景品類かを選ばせる

「キャッシュバックだから上限はない」と決めつけず、渡し方が値引きの形になっているかを確かめましょう。抽選でキャッシュバックを渡す企画には、一般懸賞の上限が適用されます。

金銭か物品かを選ばせると両方とも景品類になる

「現金か商品か、好きなほうを選べます」という企画にすると、キャッシュバックも値引きと認められず、両方が景品類になります。

消費者庁が示す例では、次のように上限がかかります。

企画の内容 扱い
1,000円の商品を10個買った人に、1,500円相当の物品か2,500円のキャッシュバックを選ばせる 両方とも景品類。上限は10,000円の10分の2の2,000円
同じ企画で、2,500円のキャッシュバック 上限を超えるため行えない

選べる形にすると申込者には親切に見えますが、キャッシュバックの額にも上限がかかります。選択式の特典を考えるなら、どちらを選んでも上限の範囲に収まる額にしておく必要があります。

ポイントは使い道で値引きか景品類かが分かれる

次の支払いに使えるポイントは、支払うべき対価を減らすものであれば、値引きとして景品規制の対象になりません。

一方、ポイントを物品と交換できるなど、値引きと景品類の両方を選べる形にすると、景品類に当たります。使い道ごとに扱いを分けると、下記の4通りになります。

  • 次の支払いに1ポイント1円で使えるだけ:値引きに当たり、景品規制の対象外
  • 次の支払いへの充当と、物品との交換のどちらかを選べる:景品類に当たる
  • 選べる形で、次の支払いに使う場合:割引を約する証票として、総付景品の上限は適用されない
  • 選べる形で、物品と交換する場合:総付景品の上限で確かめる

カードや決済のサービスでポイントを特典にするなら、交換先の一覧まで含めて確かめることになります。交換先に物品が1つ加わるだけで、扱いが変わるからです。

総付景品を保険の契約で渡すときは保険業法の特別の利益の提供の禁止も確かめる

保険の契約や募集で特典を渡すときは、景品表示法の総付景品の上限に加えて、保険業法の特別の利益の提供の禁止を確かめましょう。

保険業法第300条第1項第5号は、保険会社や保険募集人に対して、次の行為を禁じています。

保険契約者若しくは被保険者又はこれらの者と内閣府令で定める密接な関係を有する者に対して、保険料の割引又は割戻し、物品の購入、役務の提供その他の取引であって取引上の社会通念に照らし相当であると認められないものその他特別の利益の提供を約し、又は提供する行為

引用:保険業法 第300条|e-Gov法令検索

景品表示法の上限の範囲内であっても、保険業法の特別の利益の提供に当たれば違反になります。保険の集客で申込の特典を使うときは、次の見方で確かめておきましょう。

特別の利益に当たるかは保険の監督指針の3つの見方で確かめる

保険会社向けの総合的な監督指針は、特典のサービスや物品が特別の利益に当たらないかを確かめる見方を示しています。

見方は、以下の3つです。

  1. サービスや物品の経済的な価値と内容が、社会相当性を超えていないか
  2. 換金性の程度と使い道の範囲からみて、実質的に保険料の割引や割戻しになっていないか
  3. 保険契約者の間の公平性を、著しく損なっていないか

監督指針は、契約でためたポイントに応じてキャッシュバックを行うことは、保険料の割引や割戻しに当たると注意しています。ほかの商品なら値引きとして扱えるキャッシュバックが、保険ではそのまま問題になりうるわけです。特典の形を決める前に、この点を確かめておきましょう。

総付景品を企画するときの注意点は3つある

総付景品は、上限の額さえ守れば済むものではなく、特典の表示や記事の書き方、違反したときの扱いまで考えておく必要があります。

特典を渡す企画と、特典を知らせる広告は、景品表示法の別々の決まりにかかわるためです。企画から公開までの間に、以下の3つを押さえておきましょう。

  • 上限を計算した根拠を残す
  • 特典の広告の書き方も確かめる
  • 上限を超えると措置命令の対象になる

それぞれ詳しく解説します。

上限を計算した根拠を残す

後から問い合わせを受けて慌てないよう、取引の価額と景品類の価額をどう決めたかは、企画書と一緒に残しておきましょう。

上限の範囲内であることを、そのとき説明できるようにするためです。残す記録は、次の4つが中心になります。

  • 特典をもらう条件と、その中で最も安い取引の額
  • 特典の価額と、その価額の根拠(市販の価格、似た品の市価など)
  • 同じ取引に付けているほかの特典と、その合計の額
  • キャッシュバックやポイントを値引きとした理由

担当者が変わっても同じ考え方で企画できるように、記録の形を社内でそろえておくと安心です。

特典の広告の書き方も確かめる

特典の額が上限の範囲内でも、特典の広告の書き方しだいで、不当表示に当たることがあります。

特典の条件を小さく書いたり、終わった特典を載せたままにしたりすると、実際より得だと受け取られるためです。広告を出す前に、下記の3つの点で問題になりやすい書き方を避けてください。

確かめる点 問題になりやすい例 当たりうる表示
条件 「もれなく」と書きながら、条件を満たす人が限られている 有利誤認表示
期間 終わった特典を、広告や記事に載せたままにしている 有利誤認表示
額の見せ方 「最大10,000円」と書き、多くの人が受け取れる額が大きく下回る 有利誤認表示

特典の条件と終わる日は、強い表示と同じ場所に書きましょう。自社の広告だけでなく、他社の記事にも気を配る必要があります。メディアに特典を紹介してもらうときは、条件と終わる日を、記事に書く文面として渡しておくと直し漏れを防げます。

上限を超えると措置命令の対象になる

総付景品の上限を超える景品類を渡すと、景品表示法第4条にもとづく制限の違反として、措置命令の対象になります。

措置命令では、違反した景品類の提供をやめることや、再発を防ぐことなどを命じられ、事業者名とあわせて公表されることがあります。不当表示と並べると、次の表のように課徴金の扱いが違います。

項目 景品規制の違反 不当表示(優良誤認、有利誤認)
措置命令 対象 対象
課徴金 対象ではない 対象

課徴金の対象ではないからといって、軽く見てよいわけではありません。公表による信用への影響は小さくないため、特典の企画も、広告の表示と同じように公開の前に社内で確かめる手順に入れておきましょう。

金融商品に特化したクローズド型のASPであるFinfluenceでは、アフィリエイト広告の特典の書き方も含めて、掲載する記事を1本ずつ審査しています。その際に見ている表示のルールと掲載前の確認項目は、金融広告の表示ルールの手引きにまとめましたので、キャンペーンの企画を社内で確かめるときにお使いください。

総付景品に関するよくある質問

ここでは、総付景品に関するよくある質問に回答します。申込の特典やキャンペーンを企画する際の参考にしてください。

総付景品の読み方は?

「そうづけけいひん」と読みます。

消費者庁も、景品規制の説明の中で「総付(そうづけ)景品」と読みを添えています。

総付景品は100円までですか?

100円までではありません。

100円は、購入額の多少を問わずに渡す場合の、取引の価額の原則の額です。景品類の最高額は取引の価額の10分の2で、それが200円に満たないときは200円まで渡せます。取引の価額と景品類の上限を取り違えないよう、どちらの額の話なのかを分けて確かめましょう。

景品と賞品は何が違いますか?

景品表示法では、呼び名で扱いは分かれません。

抽選の当選者に渡すものを賞品と呼ぶことが多いものの、法律の上では、顧客を誘引するための手段であることなどの3つの要件を満たせば、どちらも景品類になります。抽選で渡せば懸賞、もれなく渡せば総付景品として、それぞれの上限で確かめることになります。

総付景品の上限を超えそうなときはどうすればよいですか?

特典の額を下げるか、渡し方を値引きの形に変えられないかを考えましょう。

見直し方には、例えば次の3つがあります。

  1. 特典の額を、取引の価額の10分の2以内に下げる
  2. 使い道を限らないキャッシュバックや、次の支払いに使える割引に変える
  3. 特典をもらう条件の取引の額を上げ、取引の価額を見直す

保険のように、キャッシュバックを値引きとして扱えない商品もあるため、変える前に業種の決まりも確かめておく必要があります。

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