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リードナーチャリングの事例とは?7社の施策と成果、共通する進め方を解説

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リードナーチャリングの事例とは?7社の施策と成果、共通する進め方を解説

リードナーチャリングを始めたいが、他社が実際に何をして、どれくらいの成果が出たのかを知ってから判断したい、という方は多いのではないでしょうか。

リードナーチャリングの考え方や手法の説明は多くあっても、具体的な会社の取り組みとなると、情報が一気に少なくなります。社内で提案する立場の方なら、下記のような悩みを抱えていることも多いでしょう。

  • 自社と似た業種や商品で、成果が出た会社があるのかを知りたい
  • 事例の会社が、メールやセミナーをどんな順番で組み合わせたのかが分からない
  • 「商談が2倍」のような数字を、そのまま社内の目標にしてよいのか迷う

事例は、そのまままねるより、条件の違いを見分けて使うほうが役に立ちます。同じメールの配信でも、法人の採用担当者に送るのか、投資信託の口座を開いたばかりの人に送るのかで、中身も狙う反応もまるで違うからです。

本記事では、企業が公開している導入事例から7社の施策と成果を整理し、共通する取り組み、自社で試す手順、数字を読むときの注意点を解説していますので、ぜひお役立てください。

この記事でわかること

  • リードナーチャリングの事例を、企業が公開している導入事例をもとに7社紹介
  • 法人向けでは、スコアで営業に渡す相手を絞る、メールの反応をきっかけに電話する取り組みが多い
  • 個人向けでは、セミナーの参加や申込の途中で止まった人への連絡で成果を出している
  • 事例の数字は、何と比べた数字か、ほかの要因が含まれるかを確かめてから参考にする
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リードナーチャリングの事例7社を施策と成果の一覧で比べる

リードナーチャリングの事例を探すときは、まず相手が法人か個人か、何を成果として数えているかで分けて見ましょう。

本記事で取り上げる7社は、いずれも会社名を出して取り組みを公開している事例です。出典は各社が使っているツールの提供会社の導入事例で、数字はそのページに書かれているとおりに載せています。7社の業種と主な施策、成果を並べたのが、以下の一覧です。

会社 相手 主な施策 公開されている成果
キャリアデザインセンター 法人(採用担当者) スコアリング、セミナー、フォローメール アポイントの獲得率がテレアポの10倍、成約率1.8倍
Kaizen Platform 法人 ペルソナ、検討の途中向けの記事や資料、隔週のメール 動画事業の商談が前年度の215%、受注が264%
シンフィールド 法人 2種類のメールマーケティングと電話 電話からのアポイントの率が10〜15%
三井住友DSアセットマネジメント 個人(投資信託) セミナーの告知とリマインド、口座開設後のメール セミナーの申込が最大9.2倍、参加率が最大1.9倍
富国生命保険 個人(生命保険) 資料の発送や不在の電話の後のメール 数字の公開なし
MFS 個人(住宅ローン) 申込の途中で止まった人へのメール 申込の完了率が15%アップ
ランスタッド 個人(求職者) 連絡の手段をLINEに一本化 返信率が20%から80%に上昇

表の成果は、比べている相手や期間が会社ごとに違います。テレアポとの比較もあれば、前の年度との比較、導入前との比較もあります。横に並べて数字の大きさを比べるのではなく、どんな場面で何を変えたかを読み取る材料として使いましょう。

リードナーチャリングの事例:法人向けサービスの3社

法人向けの3社は、集めた見込み客の中から、営業が連絡すべき相手をどう見分けるかに力を入れています。

リードナーチャリングの事例7社を相手ごとに分けた図。法人向けサービスでは、キャリアデザインセンターがスコアで営業に渡す相手を絞り、Kaizen Platformが検討の途中の人向けの記事と隔週のメールを整え、シンフィールドがメールのクリックをきっかけに電話した。個人向けサービスでは、三井住友DSアセットマネジメントがセミナーの告知とリマインドを自動にし、富国生命保険が電話に出ない人にメールで連絡し、MFSが申込の途中で止まった人にメールを送り、ランスタッドが連絡の手段をLINEにまとめた

会社を相手にする商品は、検討に時間がかかり、社内の複数の人がかかわります(BtoBマーケティングの特徴です)。そのため、連絡先を受け取ってすぐに営業が電話をかけても、相手の準備ができていないことが少なくありません。3社の取り組みは、次の3つの問いへの答え方として読むと違いが分かります。

  • どの行動をした人を、営業が話すべき相手とみなすか
  • 検討の途中の人に、何を届け続けるか
  • メールの反応があった人に、いつ連絡するか

それぞれ詳しく解説します。

キャリアデザインセンターはスコアで営業に渡す相手を絞った

転職サイトの「type」などを運営するキャリアデザインセンターは、スコアの基準を決め、一定の点数に達した見込み客だけを営業に渡すようにしました。

もともとは、求人の広告を出す企業への連絡を、ほぼテレアポに頼っていました。そこで採用担当者向けの記事や資料をそろえ、セミナーを月に1、2回開き、参加した人へのフォローメールまでを1つのツールで行う形に変えています。2020年秋には、行動や会社の条件に点数をつけるスコアリングを始めました。

公開されている成果は、下記のとおりです。

  • フォームからの問い合わせが、直近の6月で前年の3倍(「type」では5.5倍)
  • アポイントの獲得率がテレアポの10倍
  • 成約率が1.8倍

営業に渡す基準を点数で決めたことで、営業は関心の高まった相手から順に話せるようになりました。スコアの項目に「求人の予定があるか」のような会社の条件を入れている点も、法人向けの商品では参考になります。

出典:HubSpot導入事例|株式会社キャリアデザインセンター

Kaizen Platformは検討の途中の人に届ける記事を増やした

Webサイトの改善や動画の制作を手がけるKaizen Platformは、検討の途中にいる人に向けた記事や資料が足りていないことに気づき、そこを埋めました。

以前は、ツールを入れていても、たまに単発のメールを送る程度だったといいます。立て直しでは、ふだん顧客と接している営業のメンバーを巻き込み、顧客の人物像(ペルソナ)を1つあたり3週間ほどかけて作りました。そのうえで、情報を集めて比べている段階の人に「なぜ今取り組むべきか」を伝える記事や資料を増やし、事業部ごとに隔週でメールを送る形を定着させています。

成果として公開されている数字を、以下の表に整理しました。

事業 2020年度と比べた2021年度の数字
動画の事業 検索や記事から来たアポイントが140%、商談が215%、受注が264%
UXの事業 記事などのコンテンツから来た受注が2.5倍

さらに、アポイントや商談の20%以上がメールから来ていたと紹介されています。メールを増やしたのではなく、メールで届ける中身(検討の途中の人向けの記事)を先に作った点が、この事例の要所です。

出典:HubSpot導入事例|株式会社Kaizen Platform

シンフィールドはメールのクリックをきっかけに電話した

漫画を使った販促物などを手がけるシンフィールドは、役立つ情報のメールと売り込みのメールを分けて送り、売り込みのメールのリンクを押した人にだけ電話をかけました。

名簿は、展示会やセミナー、営業で集めた1万件弱の名刺です。これを放っておかず、次の図のような流れで商談につなげています。

シンフィールドのリードナーチャリングの流れの図。展示会やセミナー、営業で集めた1万件弱の名簿に、役立つ情報のメールを2週に1回送り、ときどき売り込みのメールを送る。売り込みのメールのクリック率はおよそ1%で、クリックした人には当日から翌日中に電話をかける。電話からのアポイントの率は10〜15%で、アポイントの5件に1件が成約する

売り込みのメールでリンクを押すのは、受け取った人のおよそ1%です。数は少なくても、その人たちは今まさに関心を持っているため、当日から翌日中に電話をかけると、10〜15%がアポイントにつながりました。アポイントの5件に1件は成約するといいます。

電話をかける相手を「リンクを押した人」に絞ったことで、少ない人数でも名簿の全員に目を配れる形になっています。名刺はあるのに手が回っていない会社は、まずこの形から試してみましょう。

出典:リードナーチャリングの事例|株式会社シンフィールド(メールマーケティングラボ、株式会社ラクス)

リードナーチャリングの事例:個人向けサービスの4社

個人向けの4社は、すでに一歩踏み出した人(セミナーに申し込んだ、資料を請求した、申込を始めた人)を、次の一歩まで連れていく連絡で成果を出しています。

個人の顧客は、法人のように社内で検討を重ねるわけではありません。その代わり、関心が続く時間が短く、連絡に気づかないまま離れていきやすいのが特徴です。4社の取り組みを、止まりやすい場面ごとに下記の表にまとめました。

会社 止まりやすい場面 打った手
三井住友DSアセットマネジメント セミナーに申し込んだが来ない、口座を開いたが使わない リマインドのメールと、口座開設後の手順をまとめたメール
富国生命保険 資料を請求した人が電話に出ない 電話の予告と、不在のときのメール
MFS 申込のフォームを開いたが送らない 途中で止まった人へのフォローメール
ランスタッド 電話やメールに返信がない 連絡の手段をLINEにまとめる

それぞれ詳しく解説します。

三井住友DSアセットマネジメントはセミナーの申込と参加を増やした

投資信託をインターネットで直接販売する「三井住友DS投信直販ネット」で、三井住友DSアセットマネジメントは、セミナーの告知からリマインドまでを自動にしました。

2019年6月にツールを入れ、サイトにセミナーの案内を出す小さな窓(ポップアップ)を置き、申込のフォームへ案内しています。申込の約30%は、このポップアップから来ているそうです。申し込んだ人には開催前にリマインドのメールを送り、参加率を上げました。

口座を開いた人へのメールも用意しています。「保存版」と件名に入れ、口座を開いた後の手順をまとめたメールは、開封率が80%以上あるといいます。

2018年度と比べた成果は、以下の2つです。

  • セミナーの申込の数が最大で9.2倍
  • セミナーの参加率が最大で1.9倍

ただし、この数字にはツール以外の要因も含まれると、事例の中で断られています。

出典:「SATORI」導入事例|三井住友DSアセットマネジメント株式会社

富国生命保険は電話に出ない見込み客にメールで連絡した

富国生命保険は、Webから資料を請求した人の6割が電話に出ないという悩みを、メールでの連絡を足すことで補いました。

知らない番号からの電話には出ない、という人は少なくありません。そこで、資料を請求した人への連絡を、下記の2通のメールで組み立てています。

  1. 資料の発送を知らせるメールに、「担当者から確認の電話をする場合がある」と前もって書く
  2. 電話に出なかった人に、「都合のよいときに電話かメールで連絡してほしい」と伝えるメールを送る

この事例は、成果の数字を公開していません。それでも、電話だけに頼っていた連絡にメールを足す、という手順は、保険のように電話での案内が多い商品でそのまま参考になります。サイトでの行動から関心の高い人を見つけ、電話の窓口に知らせる使い方も、今後の取り組みとして挙げられています。

出典:「SATORI」導入事例|富国生命保険相互会社

MFSは申込の途中で止まった人にメールを送った

住宅ローンの比較や借り換えの診断サービス「モゲチェック」を運営するMFSは、申込のフォームまで来て送らなかった人に絞って、フォローメールを送りました。

見込み客は、以下の2段階に分けています。

  • ユーザー登録をしていない人
  • 登録はしたが、申込を終えていない人

フォームを見たのに入力を終えていない人には、そのことが分かる印をつけ、フォローメールを届ける仕組みです。申込の直前まで来た人は何かに迷って止まっていることが多く、最も反応を得やすい相手でもあります。

公開されている成果は、診断サービスの申込の完了率(CVR)が15%アップしたことです。使いやすいツールに乗り換えたことで、メールにかかる費用も5分の1になったと紹介されています。

出典:Kairos3導入事例|株式会社MFS

ランスタッドは連絡の手段をLINEにまとめて返信率を上げた

人材派遣のランスタッドは、登録した求職者との連絡を、電話やメール、SMSからLINEにまとめました。

以前は、どの手段で連絡しても返信が少なく、登録した人が今どんな状況かをつかみにくかったといいます。国内の拠点ごとにLINEのアカウントを開き、連絡をLINEに寄せたことで、成果は次の表のように変わりました。

数字 変わる前 変わった後
求職者からの返信率 20% 80%
仕事の案件のマッチ率 16% 25%

届ける内容を変える前に、相手が実際に見ている連絡の手段に合わせた事例です。メールの開封率が低いと悩んでいるなら、中身より先に、手段が相手に合っているかを疑ってみましょう。

出典:HubSpot導入事例|ランスタッド株式会社

4社のうち3社は、投資信託、保険、住宅ローンを扱う会社です。こうした商品のメールは、商品の広告にあたる内容を含むと、業種ごとの表示の決まりがかかります。たとえば投資信託などを扱う金融商品取引業者には、金融商品取引法が広告で次のことを表示するよう求めています。

金融商品取引業者等は、その行う金融商品取引業の内容について広告その他これに類似するものとして内閣府令で定める行為をするときは、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を表示しなければならない。

引用:金融商品取引法 第37条|e-Gov法令検索

役立つ情報のつもりで書いたメールでも、商品の案内が入れば広告として扱われることがあります。配信の前に、社内の法務やコンプライアンスの担当者に文面を見てもらう流れを作っておきましょう。

リードナーチャリングの事例に共通する取り組みは4つある

7社の業種も相手もばらばらですが、取り組みを並べると、4つの共通点が見えてきます。

リードナーチャリングの事例7社に共通する4つの取り組みの図。1つ目は相手を段階で分けることで、MFSは登録前と申込前の2段階に分けた。2つ目は反応をきっかけに連絡することで、シンフィールドはクリックした人に翌日までに電話した。3つ目は電話や営業と組み合わせることで、キャリアデザインセンターは一定のスコアで営業に渡した。4つ目は届ける中身を先に作ることで、Kaizen Platformは検討の途中の人向けの記事を増やした

どの会社も、メールの本数を増やしたことを成果の理由には挙げていません。変えたのは、誰に、どの瞬間に、何を届けるかです。共通点を短くまとめると、以下の4つになります。

  • 相手を段階で分けている
  • 相手の反応をきっかけに連絡している
  • メールだけで終わらせず、電話や営業につないでいる
  • 届ける中身を先に作っている

それぞれ詳しく解説します。

相手を段階で分けている

MFSは見込み客を「登録前」と「申込前」の2段階に、キャリアデザインセンターは点数で分けていました。

全員に同じメールを送ると、申込の直前にいる人にも、まだ調べ始めたばかりの人にも、どちらにも合わない中身になります。分ける段階は、最初から細かくする必要はありません。2つか3つに分けるだけでも、送る中身は大きく変わります。

段階の決め方の例を、下記に挙げます。

  • 登録や資料請求をしただけの人
  • 料金や申込のページを見た人
  • 申込のフォームを開いたが、送っていない人

段階は、相手の気持ちではなく、サイトやメールでの行動で決めると、ツールで自動に分けられます。

相手の反応をきっかけに連絡している

シンフィールドがリンクを押した人に翌日までに電話したように、7社の多くは、相手が動いた直後を連絡の合図にしています。

関心は、時間がたつほど下がっていきます。クリックした翌週に電話をしても、何のメールだったかを相手が覚えていないこともあるでしょう。合図にしやすい反応は、例えば次の3つです。

  • メールのリンクを押した
  • 料金や申込のページを見た
  • セミナーに申し込んだ、または参加した

反応を合図に決めたメールや通知を送る仕組みは、マーケティングオートメーションのツールが得意とするところです。ただ、名簿が数百件のうちは、表計算ソフトと手作業でも十分に回せます。

メールだけで終わらせず電話や営業につないでいる

キャリアデザインセンター、シンフィールド、富国生命保険の3社は、メールで関心を確かめた後、人が電話で話すところまでを1つの流れにしていました。

メールは多くの人に少ない手間で届けられますが、相手の迷いに答えることは苦手です。メールと人の連絡の分担は、以下のように考えると決めやすくなります。

受け持つもの メール 電話や営業
相手 名簿の全員 関心が高まった人
役割 情報を届けて関心を確かめる 迷いに答えて次の一歩を決める
決めておくこと 送る順番と頻度 連絡するまでの時間と、渡す基準

営業に渡す基準をマーケティングと営業で決めておかないと、営業はまだ早い相手に電話をかけてしまいます。基準は、始める前に一度、両方の担当者で話し合っておきましょう。

届ける中身を先に作っている

Kaizen Platformは、メールの仕組みを整える前に、検討の途中の人に向けた記事や資料を増やしました。

配信の仕組みがあっても、送る中身がなければ、メールは商品の案内ばかりになります。中身を用意するときは、相手の段階ごとに次のような題材を考えておくと、使い回しがききます。

  • 調べ始めた人:課題の気づきや、選び方の基本を伝える記事
  • 比べている人:他社の事例、比較表、よくある質問
  • 申込を考えている人:料金の考え方、手続きの流れ

Kaizen Platformのように、営業から「顧客によく聞かれること」を集めると、題材は見つけやすくなります。記事を自社のサイトにためていくコンテンツマーケティングと組み合わせると、検索から来た人にも同じ中身を届けられます。

リードナーチャリングの事例を自社で試すときは3つの手順で進める

事例を自社で試すときは、止まっている場面を1つに絞り、近い事例の打ち手を1つだけ借りて数字で確かめましょう。

7社の取り組みを一度に全部まねようとすると、準備だけで何か月もかかり、何が効いたのかも分からなくなります。試す順番は、以下の3つの手順がおすすめです。

  1. 自社で止まっている場面を決め、近い事例を選ぶ
  2. 事例の打ち手を1つだけ試す
  3. 途中の数字と最後の数字の両方で確かめる

それぞれ詳しく解説します。

1. 自社で止まっている場面を決め近い事例を選ぶ

最初に、自社の見込み客がどこで止まっているかを1つに絞り、同じ場面で手を打った事例を選びます。

資料請求の後に連絡が取れないのか、申込のフォームで離れるのか、名簿が眠ったままなのかで、効く打ち手が違うからです。見込み客を集めるリードジェネレーションの後の数字を並べ、減り方の大きいところを探してみてください。止まっている場面と、参考になる事例の組み合わせは次のとおりです。

  • 電話がつながらない:富国生命保険、ランスタッド
  • 申込のフォームで離れる:MFS
  • 名刺や名簿が眠っている:シンフィールド
  • 営業が話す相手を選べていない:キャリアデザインセンター

業種が同じでも、相手が法人か個人か、営業が話すのかフォームで完結するのかで、使える打ち手は変わります。場面に加えて、この2点も自社と近いかを見ておきましょう。

2. 事例の打ち手を1つだけ試す

場面が決まったら、事例の打ち手を1つだけ選び、1〜3か月ほど試しましょう。

一度に複数のことを変えると、数字が動いても、どの打ち手が効いたのかが分からなくなります。たとえばMFSにならう場合は、次のように小さく始められます。

  1. 申込のフォームを開いたが送らなかった人を、一覧で出せるようにする
  2. その人たちに、迷いやすい点に答えるメールを1通だけ送る
  3. 送った人と送らなかった人で、その後の申込の割合を比べる

送る人と送らない人に分けて比べる方法は、ABテストの考え方と同じです。結果が出たら、効いた打ち手を残し、次の場面に移ります。

3. 途中の数字と最後の数字の両方で確かめる

確かめる数字は、メールの開封率やクリック率のような途中の数字と、申込や商談の数のような最後の数字の両方を決めておきます。

途中の数字は早く動くので、打ち手の良し悪しの手がかりになります。一方で、最終的に判断するのは最後の数字です。事例の7社が公開していた数字を、途中と最後に分けると以下のようになります。

種類 事例で使われていた数字
途中の数字 開封率、クリック率、返信率、セミナーの参加率
最後の数字 アポイントの数、商談の数、受注の数、申込の完了率

目標の数字の置き方は、KPIの決め方がそのまま使えます。途中の数字だけが上がって最後の数字が動かないときは、メールの後の電話やページに原因がないかも見ておきましょう。

リードナーチャリングの事例を読むときは数字の比べ方に3つの注意がいる

事例の数字を、そのまま自社の目標にするのは避けましょう。

公開されている事例は、成果の出た取り組みを紹介するために書かれています。数字にうそがあるという意味ではありません。条件を読み落とすと、自社でも同じ数字が出ると思い込んでしまう、ということです。読むときに確かめたい3点と、本記事の7社での例を、以下の表にまとめました。

確かめる点 7社での例
何と比べた数字か キャリアデザインセンターの10倍はテレアポとの比較、Kaizen Platformの215%は前の年度との比較。MFSの「15%アップ」は元の率が公開されていない
ほかの要因が含まれていないか 三井住友DSアセットマネジメントは、9.2倍の数字にツール以外の要因も含まれると断っている
誰が公開した事例か 7社とも、使っているツールの提供会社(HubSpot、SATORI、Kairos3、ラクス)が公開した事例

提供会社の事例は、ツールの良さを伝える目的もあるため、うまくいった点が中心に書かれます。それでも7社の中身を読むと、成果の中心にあるのはツールそのものではなく、誰に何をどう届けるかを決めたことでした。自社で試すときも、同じ時期に広告を増やした、キャンペーンと重なったといった別の変化を記録しておくと、あとで結果を正しく読めます。

自社の見込み客がどこで止まっているかの見極めから、メールや記事、営業への渡し方までを一続きで整えたい場合は、Finfluenceのマーケティング支援でご相談を承っています。どの事例が自社に近いのか分からない段階でも、お問い合わせから状況をお聞かせください。

リードナーチャリングの事例に関するよくある質問

ここでは、リードナーチャリングの事例に関するよくある質問に回答します。自社での取り組みを考える際の参考にしてください。

リードナーチャリングの失敗事例はありますか?

会社名を出した失敗事例は、ほとんど公開されていません。

成功した取り組みに比べ、失敗を公開する理由が会社の側に少ないためです。代わりに、成功事例の「以前の状態」を読むと、失敗の形が分かります。Kaizen Platformの「ツールを入れても単発のメールだけ」、キャリアデザインセンターの「テレアポに頼りきり」は、多くの会社が通る状態です。

リードナーチャリングにツールは必ず必要ですか?

必ずしも必要ではありません。

名簿が数百件で、送るメールも月に数通なら、表計算ソフトとふだんのメールの配信の仕組みで始められます。名簿が増え、反応を合図にした連絡を手作業で追えなくなってから、ツールを検討しても遅くはありません。

リードナーチャリングの費用はどのくらいかかりますか?

ツールを使うか、記事や資料を外に頼むかで大きく変わるため、一律には言えません。

費用は、主に次の3つでできています。

  • ツールの利用料(使わなければかからない)
  • 記事や資料、メールの文面を作る費用
  • 配信や電話を担当する人の手間

最初は、今ある記事や資料を使い、担当者の手間の範囲で試すと、費用を抑えて始められます。

展示会で集めた名刺でもリードナーチャリングはできますか?

できます。

展示会はBtoBのリード獲得でよく使われる場で、シンフィールドの事例も、展示会やセミナー、営業で集めた名刺が出発点でした。名刺などの書面で自分のメールアドレスを知らせてくれた相手には、前もって同意を得ていなくても広告や宣伝のメールを送れる例外があります(特定電子メール法第3条第1項第2号)。それでも、送り手の名前や配信を止める方法の表示と、止めてほしいという求めへの対応は欠かせないので、配信を始める前に社内で確かめておきましょう。

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