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コホート分析とは?意味と表の見方、使いどころと例、注意点を解説

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コホート分析とは?意味と表の見方、使いどころと例、注意点を解説

申込の数は毎月増えているのに、なぜか売上が思ったほど伸びないと感じることはないでしょうか。

全体の顧客の数や売上を月ごとに並べるだけでは、新しく入った顧客と、前からいる顧客の動きが混ざって見えます。顧客の分析を任された方は、下記のような悩みを抱えていることも多いでしょう。

  • コホート分析という言葉を聞くが、何をどう並べる分析なのかが分からない
  • 表を作ってみたものの、どの向きに読めばよいのかが分からない
  • 広告や記事など、集客の経路ごとに顧客の質を比べる方法を知りたい

コホート分析は、顧客を始めた時期ごとにまとめ、その後に続けて使っているか、どれだけ売上になったかを追う方法です。新しい顧客が増えた分と、前からいる顧客が離れた分は、全体の数字の中では打ち消し合ってしまいます。始めた時期ごとに分けると、どの時期の顧客に何が起きたのかが見えてきます。

本記事では、コホート分析の意味、セグメント分析との違い、使いどころ、表の見方、並べる数字、やり方、例、気をつける点を解説していますので、ぜひお役立てください。

この記事でわかること

  • コホート分析は、同じ時期に始めた顧客のまとまりごとに、その後の変化を追う方法
  • 表は縦に始めた月、横に経過した月を並べ、横、縦、斜めの3つの向きで読む
  • 並べる数字は、続けて使っている割合と、1人あたりの売上や利益の累計が中心
  • 集客の経路ごとに分けると、獲得の費用を何か月で取り戻せるかが比べられる
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コホート分析は同じ時期に始めた顧客のまとまりごとに変化を追う方法

コホート分析とは、同じ時期に始めた顧客など、共通の特徴を持つ人を1つのまとまり(コホート)とし、まとまりごとにその後の行動の変化を追う方法です。

コホート分析の表の例の図。縦に始めた月として1月、2月、3月、4月に始めた顧客が並び、横に始めてからの経過として0か月目、1か月目、2か月目、3か月目が並ぶ。1月に始めた顧客は100%、72%、61%、55%と続けて使う割合が減っていく。2月は100%、70%、60%、54%。3月は100%、80%、71%。4月は100%、81%。色の濃いマスほど続けて使っている割合が高く、3月からは1か月目の割合が上がっている

コホート(cohort)は、もともと古代ローマの軍の部隊を指す言葉で、統計や医学の分野で、同じ時期に生まれた人や同じ時期に治療を始めた人など、共通の条件を持つ集団を指す言葉として使われてきました。マーケティングでは、同じ月に申し込んだ人や、同じ月に初めて買った人を1つのコホートとして扱うのが一般的です。

アクセス解析のツールのGoogleアナリティクス(GA4)のヘルプでは、コホートを次のように説明しています。

コホートは、Google アナリティクスのディメンションを使用してこのレポートで表示できる、共通の特性を持つユーザーのグループです。たとえば、獲得日が同じユーザーはすべて同じコホートに属します。

引用:[GA4] コホートデータ探索|アナリティクス ヘルプ

ここでいうディメンションは、ユーザーを分ける切り口(始めた日、来た経路など)のことです。言い回しは硬いものの、中身は単純です。「始めた月ごとに顧客を分け、その後を並べて見る」と押さえておけば、まずは十分です。

コホート分析とセグメント分析は時間の軸で追うかどうかが違う

コホート分析とよく並べられるセグメント分析は、年代や地域などの特徴で顧客を分け、ある時点での違いを比べる方法です。

どちらも顧客をまとまりに分ける点は同じですが、コホート分析は始めた時期をそろえて、その後の変化を時間の軸で追う点が違います。分け方、見るもの、分かることで並べると、下記の表のようになります。

比べる点 コホート分析 セグメント分析
分け方 始めた時期など、同じ時点で条件を満たした人でまとめる 年代、地域、使っている機器などの特徴でまとめる
見るもの まとまりごとの、始めてからの変化 ある期間での、まとまりどうしの違い
分かること 何か月目に離れやすいか、始めた時期で質が変わったか どの特徴の人が多く買っているか

とはいえ、どちらか一方しか使えないわけではありません。実際には、「3月に始めた人のうち、スマートフォンから来た人」のように、2つを組み合わせて使うこともよくあります。変化を追いたいときはコホート分析、今の違いを見たいときはセグメント分析と覚えておけば、迷うことは少ないはずです。

コホート分析の使いどころは平均で隠れる変化を見る4つの場面

コホート分析をする目的は、全体の平均では見えない、始めた時期ごとの顧客の変化に気づき、打ち手を決めることです。

例えば、新しく入る顧客が増えていると、途中で離れる人が増えていても、全体の顧客の数は増えて見えます。こうした見落としが売上を大きく左右するのは、顧客が続けて使うことで売上になる商品です。一度きりの買い物が中心の商品より、月額のサービスや、口座を開いて使い続けてもらう商品のほうが、始めた後の変化の影響を受けるためです。具体的には、以下の4つの場面で使われます。

  1. 離れやすい時期を見つけ、案内やサポートを手厚くする
  2. 施策を変えた後に始めた顧客の質を確かめる
  3. 集客の経路ごとに、長く続く顧客を連れてくる経路を比べる
  4. 今後の売上や、獲得にかけられる予算を見込む

3つ目の経路ごとの比べ方は、広告の予算をどこに多く回すかの判断に直結します。1つ目も、分かっただけでは顧客は減り続けるため、離れやすい時期に合わせた打ち手までつなげることが大切です。

顧客1人が取引を続けるあいだにもたらす価値の合計(LTV)も、全体の平均で1つの数字にすると、時期や経路ごとの違いが消えてしまいます。コホートごとに分けて見れば、どの時期、どの経路の顧客が長く続いているかを数字で比べられます。

コホート分析の表は縦に始めた月と横に経過した月を並べて見る

コホート分析の表は、縦に始めた月ごとのコホート、横に始めてからの経過した月を並べ、マスに続けて使っている割合などを入れて作ります。

コホート分析の表の3つの読み方の図。横に読むと、1つのコホートが始めてからどう減っていくかが分かり、何か月目に大きく離れるかを見つけられる。縦に読むと、同じ経過月でコホートどうしを比べられ、施策を変えた後に始めた顧客の質が上がったかが分かる。斜めに読むと、同じ暦の月に当たるマスが並び、季節や値上げなど、ある月の出来事がすべてのコホートに与えた影響が分かる

表は、同じ向きに読むだけでは半分の情報しか使えません。向きを変えると、次の3通りの読み方ができます。

  • 横に読む:1つのコホートが、始めてからどう減っていくか
  • 縦に読む:同じ経過月で、コホートどうしを比べる
  • 斜めに読む:同じ暦の月に起きた出来事の影響を見る

それぞれ詳しく解説します。

横に読むと何か月目に離れやすいかが分かる

1月に始めた顧客は、1か月目で72%に減っています。

このように表を横に読むと、1つのコホートが始めてから何か月目に大きく減るかが分かります。多くの商品では、始めてすぐの1か月目から2か月目に最も大きく減り、その後はゆるやかになります。横に読むときは、下記の3つを確かめましょう。

確かめること 読み取れることの例
最も大きく減る月 1か月目に28%減るなら、始めてすぐの使い方の案内に課題がある
減り方が止まる月 4か月目から横ばいなら、そこまで続けた人は長く使う
横ばいになったときの割合 最後まで残る顧客の割合で、長い目で見た売上の見込みが立つ

最も大きく減る月が分かったら、その月の手前で顧客に何が起きているかを考えます。原因の見当がつけば、例えば始めて1か月の間に使い方の案内のメールを送るなど、離れる前に打つ手も決めやすくなります。離れやすい時期に合わせて届けるメールマーケティングの中身を見直すのも、その一つです。

縦に読むと施策の後に顧客の質が変わったかが分かる

施策を変えた後に始めた顧客は、変える前の顧客より長く続いているのか。この問いに答えるのが、表の縦の読み方です。

始めた月が違うコホートでも、同じ「1か月目」を比べれば、始めてからの長さをそろえて比べられます。1か月目の列だけを抜き出し、その月の出来事を添えると、次の表のようになります。

始めた月 1か月目の割合 この月の出来事
1月 72% 変更前
2月 70% 変更前
3月 80% 始めた人への案内のメールを始めた
4月 81% 変更後

この例では、案内のメールを始めた3月以降のコホートだけ、1か月目の割合が上がっています。表の右の列のように、施策を変えた月を書き添えておくと、縦に読んだときに原因を探しやすくなります。

斜めに読むとある月の出来事の影響が分かる

1月に始めた人の3か月目と、2月に始めた人の2か月目と、3月に始めた人の1か月目は、どれも同じ4月の数字です。

表を斜めに読むと、こうして同じ暦の月に当たるマスが並びます。その月に起きた出来事がすべてのコホートに与えた影響が分かるわけです。斜めの並びで割合が落ちていたら、以下のような出来事がなかったかを疑います。

  • 料金の変更や、サービスの一部の終了
  • 大型連休や年末年始などの季節
  • システムの不具合や、競合の大きなキャンペーン

どのコホートでも同じ暦の月だけ割合が下がっていれば、原因は顧客の質ではなく、その月の出来事にあると考えられます。縦と斜めの両方で下がっているかを見て、顧客の質の変化と、月の出来事を分けて考えましょう。

コホート分析で並べる数字は続けて使う割合と売上の累計の2つが中心

コホート分析のマスに入れる数字は、続けて使っている割合と、1人あたりの売上や利益の累計の2つが中心です。

どちらを入れるかで、表から分かることが変わります。求め方と分かることをあわせて、よく使う数字を下記の表に並べました。

数字 求め方の例 分かること
続けて使っている割合 その月も使った人÷始めた人 何か月目に離れやすいか
1人あたりの売上や利益の累計 その月までの売上や利益の合計÷始めた人 何か月で獲得の費用を取り戻せるか
1人あたりの利用の回数 その月の利用の回数÷始めた人 使う量が増えているか、減っているか

続けて使っている割合は、継続率やリテンション率とも呼ばれます。それぞれ詳しく解説します。

続けて使っている割合で離れる時期を見る

月額のサービスや、積立のように続けて使ってもらうことで利益が出る商品で、最初に見るのが続けて使っている割合です。

始めた人のうち、その月も使った人や契約を続けている人の割合を指します。単純に見えて、数える前に決めておくことが次の3つあります。

  • 「使った」とする行動(ログイン、取引、支払いなど)
  • 一度離れて戻ってきた人を、使っている人として数えるか
  • 解約の手続きをした人を、どの月から数えないか

「使った」とする行動が違うと、同じ顧客でも割合が大きく変わります。ログインだけなら高く出る割合も、取引で数えれば低く出るかもしれません。売上につながる行動を選び、一度決めたら途中で変えないようにしましょう。

1人あたりの累計で獲得の費用を取り戻せるかを見る

1人あたりの売上や利益の累計は、コホートの売上や利益を月ごとに足し上げ、始めた人の数で割った数字です。

この数字を、新しい顧客を1人得るためにかかった費用(顧客獲得単価(CAC))と並べると、何か月目で獲得の費用を取り戻せるかが分かります。顧客獲得単価が9,000円だったとすると、例えば下記の表のように読みます。

始めてからの経過 1人あたりの利益の累計 顧客獲得単価との比べ
3か月目 4,000円 9,000円に届いていない
6か月目 7,500円 9,000円に届いていない
9か月目 10,500円 9,000円を超え、取り戻せた

累計の線がどの月で顧客獲得単価を超えるかを見ると、広告に使ったお金がいつ戻るかを見込めます。表の例なら、戻るのは9か月目です。取り戻すまでの期間が長いほど資金の負担が大きくなるため、予算を決めるときの目安にしましょう。

コホート分析のやり方は5つの手順で進める

コホート分析は、目的を決める、まとめ方を決める、追う数字を決める、表を作る、読んで打ち手を決める、の5つの手順で進めましょう。

手順を決めずに表を作ると、マスが多すぎて、どこを見ればよいかが分からなくなりがちです。表を作るのは5つのうち4つ目で、その前に3つの準備を置き、以下の順に進めます。

  1. 何を知りたいかを決める
  2. コホートのまとめ方を決める
  3. 追う行動と数字を決める
  4. 表を作る
  5. 3つの向きで読み、打ち手を決める

1つ目から3つ目は表を作る前の準備として、まとめて解説します。

まとめ方と追う数字を先に決める

「何か月目に離れやすいか」を知りたいなら、申込の月でまとめて、続けて使っている割合を追えば足ります。

このように、知りたいことが決まれば、コホートのまとめ方と追う数字はおのずと絞られます。知りたいことごとの組み合わせは、例えば次の表の通りです。

知りたいこと コホートのまとめ方 追う数字
何か月目に離れやすいか 申込の月 続けて使っている割合
案内のメールで続く人が増えたか 申込の月(メールを始めた月の前と後) 1か月目、2か月目の割合
どの経路の顧客が長く続くか 申込の月と、来た経路 続けて使っている割合、1人あたりの利益の累計

期間の刻みは、月額のサービスなら月ごと、毎日使うアプリなら週ごと、のように使われ方に合わせて選びます。ただ、刻みを細かくしすぎると、1つのマスの人数が少なくなるため、最初は月ごとから始めるのがおすすめです。

表から読み取りたい数字は、あらかじめ目標にする数字(KPI)として決めておくと、毎月の見直しが進めやすくなります。

表はアクセス解析のツールか顧客の記録で作る

表を作る道具は、アクセス解析のツールか、自社の顧客の記録を出した表計算のソフトが中心です。

GA4なら、探索の中の「コホートデータ探索」で、日、週、月の単位でコホートの表を作れます。ただ、手軽な道具ほど入らない数字もあり、向き不向きは以下の表のように分かれます。

作る方法 向いていること 気をつけること
GA4のコホートデータ探索 サイトやアプリの利用が続いているかを、手早く見る 人の数え方が機器ごとで、契約や審査の結果は入らない
表計算のソフト 申込の記録から、契約や支払いまで含めて自由に作る 記録を出して集計する手間がかかる
顧客の管理や分析のツール 定期的に同じ表を見続ける 導入と設定に費用がかかる

申込の後に審査や契約がある商品では、サイトの数字だけでは顧客が続いているかが分かりません。GA4で手早く傾向をつかみ、判断に使う表は自社の顧客の記録で作る、という分け方が実態に近くなります。

3つの向きで読んで打ち手を決める

表ができたら、横、縦、斜めの3つの向きで読み、どこで何が起きているかを書き出しましょう。

読み取ったことは、打ち手と結びつけて初めて意味を持ちます。よくある読み取りと打ち手の組み合わせは、下記のようなものです。

  • 1か月目に大きく減る:始めてすぐの使い方の案内を見直す
  • あるコホートだけ割合が低い:その月の広告や、キャンペーンの内容を確かめる
  • ある暦の月だけどのコホートも低い:その月の出来事(料金の変更など)を確かめる

打ち手を決めたら、変えた後に始めたコホートの数字を、同じ経過月で変える前と比べます。一度に変えるところを1つか2つに絞っておくと、ABテストのように、どの変更が効いたのかを確かめやすくなります。

コホート分析の例:積立投資のアプリで経路を比べる場合

コホート分析の例として、積立投資のアプリを売る会社が、集客の経路ごとにコホートを分けて比べる場合を考えてみましょう。

集客の経路ごとのコホート分析の例の図。例は積立投資のアプリで、12か月目までの1人あたりの利益の累計と、顧客獲得単価を比べる。リスティング広告は顧客獲得単価が12,000円で、12か月目の累計が14,000円。アフィリエイト広告は顧客獲得単価が9,000円で、12か月目の累計が13,000円と、最も早く9か月目に取り戻す。SNS広告は顧客獲得単価が5,000円と最も安いが、12か月目の累計が4,000円で取り戻せていない。獲得の費用の安さだけで経路を選ぶと判断を誤る

会社もアプリも架空で、数字は見方を分かりやすくするために置いた例です。1月から3月に始めた顧客を、来た経路ごとに分けてまとめると、以下の表のようになったとします。

経路 顧客獲得単価 3か月目も続けている割合 12か月目までの1人あたりの利益の累計
リスティング広告 12,000円 65% 14,000円
アフィリエイト広告 9,000円 60% 13,000円
SNS広告 5,000円 30% 4,000円

獲得の費用だけを見ると、SNS広告が最も安く、予算を増やしたくなります。しかし、12か月目までの利益の累計は4,000円で、獲得にかけた5,000円を取り戻せていません。安く集めた顧客が、3か月目には30%しか残っていないためです。

反対に、アフィリエイト広告は獲得の費用がリスティング広告より安く、続けて使う割合も近いため、最も早く費用を取り戻しています。この例で下すべき判断は、SNS広告の予算を増やすことではありません。その前に、SNS広告で始めた人が1か月目に離れる理由を確かめることです。

なお、口座の開設や審査がある商品では、申込の数ではなく、実際に口座を開いて使い始めた人を「始めた人」として数えましょう。申込の数でコホートを作ると、審査に通らなかった人まで含まれ、経路ごとの比べ方がずれてしまうからです。

コホート分析で気をつける点は4つある

コホート分析は、表の作り方しだいで、同じ顧客でもまったく違う結論が出ることがあります。

表の数字を、そのまま顧客の実態だと思い込むのは危険です。結論を誤りやすいのは、以下の4つの場面です。

  • 人数の少ないコホートで判断しない
  • 数え方の決まりを途中で変えない
  • ツールの数え方の違いを知っておく
  • 割合だけでなく人数と金額も見る

それぞれ詳しく解説します。

人数の少ないコホートで判断しない

始めた人が20人のコホートでは、1人離れるだけで割合が5%下がります。

1つのコホートの人数が少ないと、数人が離れただけで割合が大きく動くため、良し悪しの判断には使えません。人数が足りないときは、次のような手で1つのマスの人数を増やします。

  • 期間の刻みを週ごとから月ごとに広げる
  • 2〜3か月分のコホートをまとめて1つにする
  • 経路などで細かく分けすぎない

割合と一緒に、コホートの人数も表の左に必ず書いておきましょう。人数が見えていれば、読む人が自分で数字の重みを判断できます。

数え方の決まりを途中で変えない

3月から割合が上がったのは、施策が効いたからか、それとも数え方を変えたからか。途中で決まりを変えると、この区別がつかなくなります。

「使った」とする行動や、コホートに入れる条件を変えれば、変える前と後のコホートは比べられません。運用の中でつい変えてしまいやすい決まりは、下記の3つです。

決まり 変わりやすい例
始めた人の条件 申込の月から、口座の開設の月に変える
使ったとする行動 ログインから、取引に変える
除く人 社内のテスト用の登録を除くかどうか

どうしても変える必要があるときは、過去のコホートも新しい決まりで作り直してから比べましょう。

ツールの数え方の違いを知っておく

同じ期間の表なのに、アクセス解析のツールと自社の顧客の記録とで数字が合わない、ということがよくあります。

GA4のヘルプでは、コホートはユーザーの機器のデータだけに基づき、ログインの情報で人をまとめる仕組み(User-ID)はコホートの決め方に使われない、と説明されています。そのため、スマートフォンとパソコンの両方から使う人は、別の人として数えられることがあります。何を1人と数えるかは、ツールごとに以下のように違います。

  • アクセス解析のツール:機器やブラウザごとに人を数える
  • 自社の顧客の記録:会員の番号や口座で人を数える
  • 広告の管理画面:広告を経由した申込だけを数える

どの表の数字を正とするかを先に決め、ほかの表は傾向を見るために使いましょう。経路ごとの成果の割り当て方が媒体によって違う点は、アトリビューションの考え方もあわせて押さえておくと混乱が減ります。

割合だけでなく人数と金額も見る

続けて使っている割合が高くても、始めた人の数が少なかったり、1人あたりの利用の金額が小さかったりすれば、売上は伸びません。

コホート分析の表は割合で作ることが多いため、割合の高低だけで経路や施策を選んでしまいがちです。割合の横には、次の表の3つの数字も並べておきましょう。

数字 見る理由
コホートの人数 割合が高くても、人数が少なければ売上への影響は小さい
1人あたりの利用の金額 続けていても、金額が小さければ利益は少ない
獲得にかかった費用 続けて使う割合が高くても、費用が高すぎれば取り戻せない

割合、人数、金額の3つをそろえて見ることで、売上に効く打ち手を選びやすくなります。経路ごとの例で、SNS広告の予算を増やさない判断ができたのも、金額を並べていたからです。

コホート分析の表の作り方から、集客の経路ごとの比べ方、広告の予算の配分や、始めた後の案内の見直しまで一続きで進めたい場合は、Finfluenceのマーケティング支援でご相談を承っています。手元の顧客の記録でどんな表が作れるか分からない段階でも、お問い合わせから気軽にお聞かせください。

コホート分析に関するよくある質問

ここでは、コホート分析に関するよくある質問に回答します。コホート分析を始める際や、表を読む際の参考にしてください。

コホート分析はExcelでもできますか?

できます。

顧客ごとに、始めた月と、使った月や支払った月を並べた記録があれば、ピボットテーブルで集計して表を作れます。作り方は、下記の4つの手順です。

  1. 顧客ごとに、始めた月と、使った月を1行ずつ並べる
  2. 使った月から始めた月を引いて、経過した月を出す
  3. 縦に始めた月、横に経過した月を置いて、人数を数える
  4. 各マスの人数を、0か月目の人数で割って割合にする

最初は表計算のソフトで小さく作り、同じ表を毎月見るようになってから、専用のツールを検討するのがおすすめです。

何か月先まで追えばよいですか?

獲得の費用を取り戻すまでの月数か、続けて使う割合が横ばいになる月までは追いましょう。

月額のサービスでは、12か月ほど追うと、横ばいになる月と、取り戻す時期の両方が見えることが多いです。もっとも、始めて間もない事業では、そもそも追える月数が足りません。まずは3か月目までの割合を比べるところから始めてみてください。

コホート分析とファネル分析はどう違いますか?

ファネル分析は申込までの段階で人がどこで離れるかを見る方法で、コホート分析は始めた後の変化を時間の軸で追う方法です。

申込までの流れを段階に分けて見るファネルは、申込の前を見るのに向いています。申込の前はファネル分析、申込の後はコホート分析と分けて使うと、顧客が離れる場所を前後の両方から見つけられます。

BtoBの商品でもコホート分析は使えますか?

使えます。

会社を相手にする月額のサービスでは、契約を始めた月ごとにコホートを作り、契約を続けている会社の割合や、1社あたりの売上の累計を追います。会社の数は個人より少ないため、数か月分をまとめて1つのコホートにするなど、人数の少なさへの手当てが欠かせません。

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