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アップセルとクロスセルとは?意味と違い、メリットと進め方、例を解説

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アップセルとクロスセルとは?意味と違い、メリットと進め方、例を解説

新しい顧客を集める広告の費用が上がり、今の顧客からの売上をもっと伸ばせないかと考える会社は多いのではないでしょうか。

今の顧客に上位の商品や別の商品を案内する方法は、アップセルとクロスセルと呼ばれ、営業やマーケティングの現場で広く使われています。マーケティングや営業の担当者の方は、下記のような悩みを抱えていることも多いでしょう。

  • アップセルとクロスセルの違いが、はっきり分からない
  • 今の顧客に何を、いつ案内すればよいのか決められない
  • 案内を増やすと、押し売りのように思われないかが心配

アップセルとクロスセルは、うまく使えば顧客1人あたりの売上を伸ばせる一方、顧客に合わない商品をすすめると、かえって解約や不満を招きます。今の顧客が相手だからこそ、一度の押し売りで失うものも大きいのです。特に、投資や保険の商品では、顧客に合う商品かを確かめてからすすめることが法律で求められています。

本記事では、アップセルとクロスセルの意味と違い、メリット、進め方、商品ごとの例、顧客に合うかを確かめる考え方、注意点を解説していますので、ぜひお役立てください。

この記事でわかること

  • アップセルは上位の商品への乗り換え、クロスセルは別の商品をあわせて買ってもらうこと
  • どちらも今の顧客が相手のため、新しい顧客を集めるより費用を抑えやすい
  • 進めるときは、顧客の使い方を分けてから、案内する商品と時期を決める
  • 投資や保険の商品では、顧客に合う商品かを先に確かめる決まりがある
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アップセルは上位の商品に替え、クロスセルは別の商品を足すこと

アップセルとクロスセルとは、すでに取引のある顧客に、今より上位の商品や、関連する別の商品を買ってもらう取り組みのことです。

アップセルとクロスセルの違いの図。アップセルは、今使っている商品より上位の商品へ乗り換えてもらうことで、例として一般のカードからゴールドカードへ切り替えてもらう。クロスセルは、今の商品に加えて関連する別の商品をあわせて買ってもらうことで、例としてカードの会員に保険や証券口座をあわせて申し込んでもらう。どちらも今の顧客が相手で、顧客1人あたりの売上を増やす

アップセル(up-sell)は「上の商品を売る」、クロスセル(cross-sell)は「横に広げて売る」という意味の英語です。どちらも新しい顧客ではなく、すでに商品を使っている顧客を相手にする点が共通しています。そのため、新しい顧客を集める施策とは、使える情報も案内の方法も違ってきます。

2つの言葉は、以下のように使い分けます。

  • アップセル:今使っている商品より、価格や機能が上の商品へ乗り換えてもらうこと
  • クロスセル:今使っている商品に加えて、関連する別の商品をあわせて買ってもらうこと

飲食店で「セットにしますか」とすすめるのはクロスセル、「大盛りにしますか」とすすめるのはアップセルにあたります。同じ注文の場面でも、量を上げるか、品を足すかで呼び方が変わるわけです。身近な例に置き換えておくと、2つの違いを社内でも共有しやすくなります。

どちらも顧客1人あたりの売上を増やす取り組みですが、すすめる商品と、顧客に伝えることが違います。すすめる商品から伝えることまで、比べる点ごとに並べると下記の表のようになります。

比べる点 アップセル クロスセル
すすめる商品 今の商品の上位の版、上位のプラン 今の商品と関連する別の商品
顧客の手元に残るもの 上位の商品に替わる 今の商品に別の商品が加わる
顧客に伝えること 上位の商品で何が良くなるか 組み合わせると何が便利になるか
向いている顧客 今の商品を使い込んで、物足りなさを感じている人 今の商品に満足し、関連する困りごとを抱えている人

反対に、顧客の予算や使い方に合わせて、今より下の商品をすすめることはダウンセルと呼ばれます。解約しそうな顧客に下のプランを案内して取引を続けてもらうのは、ダウンセルの使い方の1つです。売上は下がっても、顧客そのものが離れるよりはよい、という考え方にもとづいています。

アップセルとクロスセルのメリットは3つある

アップセルとクロスセルに取り組むと、売上を伸ばしながら、顧客との取引も長く続けやすくなります。

すでに商品を使っている顧客は、会社や商品のことを知っているため、初めての人よりも話を聞いてもらいやすいためです。売上、費用、取引の続き方の面から、メリットは以下の3つに分けられます。

  • 顧客1人あたりの売上が上がる
  • 新しい顧客を集めるより費用を抑えやすい
  • 顧客が商品を使い続ける理由が増える

それぞれ詳しく解説します。

顧客1人あたりの売上が上がる

顧客の数が同じままでも、1人あたりの売上が上がれば全体の売上は伸びる、というのがアップセルとクロスセルの一番の効き目です。

顧客1人が取引を続けるあいだにもたらす価値の合計(LTV)は、単価、頻度、期間の掛け算で考えるのが基本です。その掛け算のどこを上げるのかは、2つで次のように違います。

取り組み LTVのうち上がるところ 例
アップセル 単価 月1,000円のプランから月3,000円のプランへ替わる
クロスセル 単価と頻度 1つの商品に加えて、別の商品の支払いも毎月発生する

どちらを先に進めるかは、自社の顧客の単価と頻度のどちらに伸びしろが大きいかで決めるのが近道です。

新しい顧客を集めるより費用を抑えやすい

商品を知ってもらう広告から始めなくてよい分、今の顧客への案内は、新しい顧客を集めるより1件あたりの費用を抑えやすくなります。

新規顧客獲得では広告費がかかるのに対し、今の顧客にはメールや会員向けのページで直接案内できるためです。費用のかかり方を比べると、以下のような違いがあります。

比べる点 新しい顧客を集める 今の顧客に案内する
最初の接点 広告、検索、紹介など、知ってもらうところから メール、会員のページ、明細、窓口など、すでにある接点
主な費用 広告の費用、紹介の報酬 案内を作る手間、特典の費用
相手が知っていること 会社や商品をまだ知らない 会社や商品の使い心地を知っている

ただし、今の顧客への案内だけでは、顧客の数そのものは増えません。費用が安いからといって、こちらだけに予算を寄せるのは早計です。新しい顧客を集める施策と組み合わせて、両方の費用と成果を並べて見ましょう。

顧客が商品を使い続ける理由が増える

クロスセルで複数の商品を使ってもらうと、顧客がその会社の商品を使い続ける理由が増えます。

たとえば、給与の受け取りの口座と、カードの引き落としと、積立を同じ会社にまとめている人は、1つの商品だけを使っている人より乗り換えの手間が大きくなります。手間だけでなく、会社との接し方そのものも、次のように変わっていきます。

  • 会社のアプリや会員のページを開く回数が増える
  • 困ったときに、まずその会社に相談するようになる
  • 1つの商品に不満があっても、すぐには全部を解約しにくい

購入した後に使い続け、周りに広めるまでの流れは、ファネルの中でもインフルエンスファネルとして整理されています。使い続ける理由が増えるのは、顧客にとって便利になった結果です。便利にならない商品を無理に足すと、逆に不満の種が増えるため、組み合わせる商品は顧客の目線で選ぶことが前提になります。

アップセルとクロスセルは5つの手順で進める

アップセルとクロスセルは、顧客を分ける、商品を決める、時期を決める、案内の方法を選ぶ、測って直す、の5つの手順で進めましょう。

アップセルとクロスセルを進める5つの手順の図。1つ目は顧客を分けることで、使っている商品や期間、使い方で顧客をまとまりに分ける。2つ目は案内する商品を決めることで、まとまりごとに困りごとに合う上位の商品や別の商品を選ぶ。3つ目は時期を決めることで、使い始めて慣れたころや、更新の前など案内に向く時期を選ぶ。4つ目は案内の方法を選ぶことで、メール、アプリ、明細、窓口から選ぶ。5つ目は測って直すことで、案内した人のうち申し込んだ割合と、その後の解約を見る

全員に同じ商品を同じ時期に案内すると、関心のない人にまで届き、案内そのものが読まれなくなります。これを避けるために、誰に、何を、いつ、どう届けるかを順に決めていくのが、次の5つの手順です。

  1. 今の顧客を使い方で分ける
  2. まとまりごとに案内する商品を決める
  3. 案内する時期を決める
  4. 案内の方法を選ぶ
  5. 結果を測って直す

それぞれ詳しく解説します。

今の顧客を使い方で分ける

使い始めたばかりの人と、何年も使い込んでいる人では、同じ商品の顧客でも次にほしいものが違うため、最初に今の顧客をいくつかのまとまりに分けます。

分ける切り口は、使っている商品、使い始めてからの期間、使い方の3つが基本です。それぞれ、例えば以下の表のように分けられます。

切り口 分け方の例
使っている商品 1つの商品だけの人、複数の商品を使っている人
使い始めてからの期間 3か月未満、1年未満、1年以上
使い方 利用の金額や回数が多い人、少ない人
困りごとの兆し 上限に近い使い方をしている人、問い合わせが多い人

使い始めた月ごとに顧客をまとめ、その後の利用や解約を追うコホート分析を使うと、どの時期に何が起きやすいかが見えてきます。まずは、手元の顧客の記録で分けられる切り口から始めてみてください。

まとまりごとに案内する商品を決める

分けたまとまりごとに、困りごとに合う上位の商品か、別の商品を1つずつ決めていきます。

順番を逆にして、商品を先に決めてから相手を探すと、売りたい商品の都合が前に出て、顧客にとって必要のない案内になりやすいためです。まとまり、困りごと、案内する商品を並べると、下記のような組み合わせになります。

顧客のまとまり 困りごとの例 案内する商品の例
利用の上限に近い人 今のプランでは足りない 上位のプラン(アップセル)
使い始めて慣れてきた人 関連する作業も任せたい 関連する別の商品(クロスセル)
利用が減ってきた人 今のプランが高く感じる 下のプラン(ダウンセル)

1つのまとまりに複数の商品を一度に案内すると、どれを選べばよいか迷わせます。迷った顧客は、どれも選ばないまま案内を閉じてしまうこともあります。案内する商品は、まとまりごとに1つに絞っておくほうが、選ばれやすくなります。

案内する時期を決める

同じ案内でも、使い始めた直後に届くと早すぎ、困りごとが解決した後に届くと遅すぎます。

顧客がその商品を必要とする時期を狙って届けるには、案内する時期も商品と同じくらい丁寧に決める必要があります。狙い目になるのは、例えば次の4つの時期です。

  • 使い始めて、商品の使い方に慣れたころ
  • 利用の金額や回数が、今のプランの上限に近づいたとき
  • 契約の更新や、年に一度の見直しの前
  • 引っ越しや就職など、暮らしが変わったと分かったとき

顧客が商品を知ってから使い続けるまでの道のりを、顧客の目線で描いたカスタマージャーニーを作っておくと、案内に向く時期を見つけやすくなります。社内の都合で決めた時期より、顧客の行動の記録から決めた時期のほうが外れにくくなります。

案内の方法を選ぶ

案内の時期が決まったら、その時期の顧客が目にしやすい方法を選びましょう。

案内の方法によって、届く速さや、1人ずつに合わせられる度合いが違うためです。方法ごとに向いている案内を、以下の表にまとめました。

方法 向いている案内
メール 使い方の段階に合わせて、決まった順番で届ける案内
アプリや会員のページ ログインした人に、使い方に合わせて出す案内
明細や郵送物 毎月必ず目にする場所で、控えめに知らせる案内
窓口や電話 説明が必要な商品を、相手の話を聞きながら案内

顧客の行動に合わせて、決まった時期に自動でメールを送る場合は、メールマーケティングの進め方がそのまま使えます。一方で、説明が必要な商品ほど、窓口のように人が話を聞ける方法が向いています。

結果を測って直す

案内の成果は、申し込んだ人の割合だけでなく、申し込んだ人のその後まで測って判断します。

申し込んだ人の割合が高くても、すぐに解約されたり、問い合わせが増えたりしていれば、顧客に合っていない案内だった可能性があるためです。測る数字と、そこから分かることは下記の表の通りです。

数字 分かること
案内を見た人のうち申し込んだ割合 案内の内容と時期が合っているか
申し込んだ人の3か月後、半年後の解約の割合 顧客にとって必要な商品だったか
案内の後の問い合わせや苦情の数 説明に足りないところがなかったか

案内の文言や時期を変えるときは、2つの案を同じ条件で比べるABテストで、どちらの成果が良いかを確かめましょう。その場合も、申込の割合だけで勝ち負けを決めるのは危ういところです。その後の解約まで含めて、良し悪しを決めてください。

アップセルとクロスセルの例:通販やカード、銀行の場合

アップセルとクロスセルの進め方は、商品の種類によって、すすめる商品も、案内する時期も変わります。

商品の種類ごとのアップセルとクロスセルの例の図。月額のサービスでは、アップセルは上位のプランへの切り替え、クロスセルは別の機能の追加。通信販売では、アップセルは大きい容量の商品、クロスセルは一緒に使う商品。カードでは、アップセルは一般のカードからゴールドカードへの切り替え、クロスセルは保険や証券口座の案内。銀行の口座では、アップセルは手数料の優遇がある上位のサービス、クロスセルはカードや積立の案内。どの例も、今の使い方から次に必要になるものを案内する

他社の例をそのまま取り入れるより、自社の顧客が次に何に困るかから考えるのが近道です。そのうえで参考にしたい、商品の種類ごとの例を以下に並べます。

商品の種類 アップセルの例 クロスセルの例
月額のサービス 上位のプランへの切り替え 別の機能や、別のサービスの追加
通信販売 大きい容量や、上位の型の商品 一緒に使う商品、替えの部品
飲食店 大きいサイズ、上の価格帯のコース 飲み物やデザートのセット
会社向けのサービス 利用できる人数や機能の多いプラン 導入の支援、別の部署で使うサービス

毎月の利用の記録が残るカードや銀行の口座の例を、詳しく解説します。

カードや銀行では使い方の変化に合わせて案内する

利用の金額が増えてきた、引き落としの内容が変わった、といった使い方や暮らしの変化が、カードや銀行の口座で上位の商品や別の商品を案内するきっかけになります。

毎月の利用の記録が残る商品のため、顧客が次に必要とするものを読み取りやすいからです。カードと銀行の口座に分けると、案内の例は次のようになります。

商品 アップセルの例 クロスセルの例
クレジットカード 利用の多い会員に、特典の多い上位のカードを案内する 旅行での利用が多い会員に、旅行の保険を案内する
銀行の口座 残高の多い顧客に、手数料が優遇されるサービスを案内する 給与の受け取りを始めた顧客に、カードや積立を案内する
保険 家族が増えた契約者に、保障の見直しを案内する 自動車の保険の契約者に、火災の保険を案内する

同じ会社のグループで扱う商品を案内する場合も、顧客の使い方から見て必要かどうかを先に考えるのが筋です。とくに投資や保険の商品は、法律の決まりがかかるため、次の節の考え方を必ず確かめてください。

アップセルとクロスセルでは顧客に合う商品かを先に確かめる

投資や保険の商品でアップセルやクロスセルを行うときは、その商品が顧客の知識や経験、財産、目的に合っているかを、すすめる前に確かめましょう。

顧客に合わない商品をすすめてはならないという考え方は、適合性の原則と呼ばれ、金融商品取引法に定められています。根拠になるのは、第40条の次の定めです。

金融商品取引業者等は、業務の運営の状況が次の各号のいずれかに該当することのないように、その業務を行わなければならない。

一 金融商品取引行為について、顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして不適当と認められる勧誘を行つて投資者の保護に欠けることとなつており、又は欠けることとなるおそれがあること。

引用:金融商品取引法 第四十条|e-Gov 法令検索

条文が挙げる知識、経験、財産の状況、目的は、長く取引のある顧客であっても、すすめる前に確かめることになります。たとえば、銀行の口座を持つ顧客に投資信託をクロスセルする場合も、この決まりの対象になります。保険では、保険業法の第294条の2で、顧客の意向を把握し、それに沿った保険を提案することが求められています。

銀行の融資にも、別の決まりがあります。銀行法の第13条の3では、銀行やそのグループの会社の取引を行うことを条件に融資をする行為が、一部の例外を除いて禁じられています。融資の条件として別の商品の契約を求めるような案内にならないよう、案内の文言と流れを社内の担当者と確かめておきましょう。

アップセルとクロスセルで気をつける点は4つある

アップセルとクロスセルは、売上を増やす手段として使うほど、顧客の目線が抜け落ちやすい取り組みです。

案内を受ける顧客にとっては、自分に役立つ提案なのか、会社の売りたい商品なのかがすぐに伝わるためです。顧客の目線を保つために、とくに次に挙げる4つの点に気をつけます。

  • 顧客の困りごとより売りたい商品を先にしない
  • 案内の回数を増やしすぎない
  • 価格や特典の見せ方で誤解させない
  • 今の顧客への案内だけに頼らない

それぞれ詳しく解説します。

顧客の困りごとより売りたい商品を先にしない

会社が売りたいものから選んだ案内は、顧客にすぐ見抜かれ、今の商品への信頼まで下げることがあります。

案内する商品は、顧客の困りごとを解決するものから選ぶのが原則です。押し売りと受け取られやすいのは、例えば下記のような案内です。

  • 使い始めた直後に、上位のプランをすすめる
  • 今の商品と関係のない商品を、まとめて案内する
  • 断った後も、同じ商品を何度もすすめる

案内を作ったら、「この顧客はなぜこの商品が必要なのか」を1文で説明できるかを確かめてみてください。説明に詰まるなら、それは送る相手か商品のどちらかが合っていない印です。

案内の回数を増やしすぎない

部署ごとにばらばらに送っていると、顧客の受信箱には会社からの案内が思った以上に並ぶため、回数は連絡の全体の中で決めます。

案内が多すぎると、メールそのものを読まれなくなったり、配信の停止を選ばれたりして、大事なお知らせまで届かなくなるためです。回数が多すぎないかは、以下の数字の動きで分かります。

数字 増えたときの意味
メールの配信の停止の数 案内が多すぎる、または合っていない
メールを開いた人の割合の低下 案内が読まれなくなっている
アプリの通知の停止の数 通知が多く、邪魔に感じられている

顧客の反応に合わせて、配る時期や回数を自動で変える仕組みは、マーケティングオートメーションの道具で作れます。回数の上限は、部署ごとではなく、会社全体で決めておきましょう。

価格や特典の見せ方で誤解させない

「今だけ」「セットならお得」は案内でつい使いたくなる言葉ですが、価格や特典を実際より得に見せる表現は避ける必要があります。

実際の条件より有利だと誤解させる表示は、景品表示法の有利誤認にあたるおそれがあるためです。案内を出す前に、次の3点を確かめておきます。

  • 「セットでお得」と書くとき、単品の合計と比べた実際の差額を示しているか
  • 「今だけ」と書くとき、本当に期間が限られているか
  • 上位のプランの特典に、条件や上限があることを近くに書いているか

年会費や手数料がかかる商品では、上位の商品に替えた後の費用の増え方も、特典と同じ大きさで伝えましょう。

今の顧客への案内だけに頼らない

アップセルとクロスセルで売上が伸びても、新しい顧客を集める施策まで止めてしまうのは危険です。

今の顧客は、引っ越しや暮らしの変化などで一定の割合が離れていくため、新しい顧客が入らなければ、案内できる相手が少しずつ減るためです。両方を見るときは、下記のような数字を並べます。

見る数字 分かること
新しく加わった顧客の数 案内できる相手が増えているか
離れた顧客の数 案内できる相手が減っていないか
顧客1人あたりの売上 アップセルとクロスセルが効いているか

顧客を1人得る費用(CAC)と、顧客1人あたりの売上を並べて見ると、どちらにどれだけ力を入れるかを決めやすくなります。

アップセルやクロスセルで案内する商品と時期の決め方から、メールや会員のページでの案内、案内の後の数字の取り方まで一続きで進めたい場合は、Finfluenceのマーケティング支援でご相談を承っています。今の顧客のどこに次の提案の余地があるかを見つけるところから始めたい方も、お問い合わせからお気軽にご相談ください。

アップセルとクロスセルに関するよくある質問

ここでは、アップセルとクロスセルに関するよくある質問に回答します。今の顧客への案内を考える際の参考にしてください。

クロスセリングとクロスセルは同じ意味ですか?

同じ意味です。

英語では、売ることを表す言葉の形の違いで、cross-sellとcross-sellingのどちらも使われます。アップセルにも同じように、アップセリングという言い方があります。2つの呼び方を並べると、下記の表のようになります。

取り組み 短い呼び方 長い呼び方
上位の商品に替えてもらう アップセル(up-sell) アップセリング(upselling)
別の商品を足してもらう クロスセル(cross-sell) クロスセリング(cross-selling)

指すものは変わらないため、社内の資料ではどちらかの呼び方にそろえておきましょう。

クロスセルを日本語で言い換えると何ですか?

「関連販売」や「併売」と言い換えられます。

店頭では、一緒に買ってもらうことを「ついで買い」や「併せ買い」と呼ぶこともあります。アップセルは、「上位の商品への切り替え」や「グレードアップの提案」と言い換えると伝わりやすいでしょう。社外向けの案内では、カタカナの言葉より、こうした言い換えのほうが顧客に意味が届きます。

アップセルとクロスセルは会社を相手にする商品でも使えますか?

使えます。

会社を相手にする商品では、利用する人数や機能を増やすアップセルと、別の部署で使うサービスを案内するクロスセルがよく使われます。担当者だけでなく、費用を決める人にも伝わるよう、導入してから何が変わったかを数字で示しておくと話が進みやすくなります。

アップセルとクロスセルを進める道具はありますか?

顧客の記録を管理する仕組みと、メールや通知を送る道具があれば始められます。

顧客ごとの使っている商品や期間が分かれば、案内するまとまりを分けられるためです。顧客の数が多くなってきたら、顧客の行動に合わせて案内を自動で送る道具を使うと、手間を抑えながら続けられます。

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