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景品表示法違反の事例とは?優良誤認・有利誤認・ステマの措置命令と防ぎ方を解説

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景品表示法違反の事例とは?優良誤認・有利誤認・ステマの措置命令と防ぎ方を解説

広告の文言やキャンペーンの条件を決める場面で、「ほかの会社はどんな表示で処分を受けたのか」を知りたくなることがあるのではないでしょうか。

条文や解説を読んでも、実際の広告に当てはめると判断に迷うものです。「通常価格」「今だけ」「No.1」「口コミ」のような言葉は、どの業種の広告にも出てきます。広告主やマーケティング担当者の方は、下記のような悩みを抱えていることも多いでしょう。

  • 景品表示法違反の事例を、類型ごとに整理して知りたい
  • 自社の広告と似た表示が、過去に処分を受けていないか確かめたい
  • 金融の商品で、景品表示法違反になった事例があるのか知りたい

景品表示法違反の事例は、消費者庁が報道発表として公表しており、表示の文言から「実際はどうだったか」まで細かく書かれています。ただ、業種も時期もばらばらなので、類型ごとに並べ直さないと自社の広告には当てはめにくいものです。

本記事では、公表されている事例の数と類型、有利誤認、優良誤認、ステマやおとり広告の事例、金融の事例、事例から分かる確かめどころを解説していますので、ぜひお役立てください。

この記事でわかること

  • 景品表示法違反の事例は、消費者庁の報道発表で事業者名とともに公表されている
  • 令和7年度の措置命令13件のうち8件は有利誤認で、価格と期間の表示に集まっている
  • 優良誤認は根拠の資料とNo.1の調査の中身、ステマは口コミやSNSの投稿の頼み方で問われた
  • 事例から学ぶなら、比べる価格の実績、期間、根拠、条件の置き場所、投稿の依頼の5つを確かめる
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景品表示法違反の事例は消費者庁が報道発表で公表している

景品表示法違反の事例を調べるなら、消費者庁の報道発表を見るのが確かです。

景品表示法は、実際より良く見せる表示や得に見せる表示、過大な景品を禁じる法律で、違反の疑いがあると消費者庁が調査を行います。調査の結果、事業者名とともに公表されるのは、以下の3つの処分です。

処分 中身 公表のされ方
措置命令 違反した表示をやめ、再発を防ぎ、誤認を取り除くよう命じる 表示の文言と実際が報道発表に書かれる
課徴金納付命令 優良誤認と有利誤認について、対象の期間の売上額の3%を納めさせる 課徴金の額とあわせて報道発表に書かれる
確約計画の認定 違反の疑いがある事業者が自ら是正の計画を出し、認定を受ける 疑いのあった表示と計画の中身が報道発表に書かれる

確約計画の認定は、2024年10月に始まった仕組みで、違反と認定したものではなく「疑いがあった」行為として書かれます。ほかに、措置命令に至らない指導もありますが、指導は年度ごとの運用状況で件数と一部の例が示されるだけです。

令和7年度の措置命令は13件で有利誤認が8件を占めた

直近の1年の数字を見ると、措置命令の半分以上が有利誤認でした。

消費者庁は毎年、前の年度の運用状況を公表しており、令和7年度(2025年4月から2026年3月まで)について次のようにまとめています。

令和7年度においては、13名の事業者に対して、13件の措置命令を行った。措置命令13件の内訳は、優良誤認3件、有利誤認8件、原産国告示2件である。

引用:令和7年度における景品表示法等の運用状況及び表示等の適正化への取組|消費者庁

同じ資料では、確約計画の認定が8件、課徴金納付命令が10件(3億3940万円)、指導が388件とされています。3年分を並べると、件数の動きは下記の図のとおりです。

景品表示法違反の処分の件数の推移の図。消費者庁による措置命令は令和5年度44件、令和6年度26件、令和7年度13件。確約計画の認定は令和6年度1件、令和7年度8件。課徴金納付命令は令和5年度12件で20億4419万円、令和6年度7件で19億2696万円、令和7年度10件で3億3940万円。指導は令和5年度85件、令和6年度339件、令和7年度388件と増えており、事業者名は出ず件数と一部の例だけが示される。出典は消費者庁の令和7年度における景品表示法等の運用状況及び表示等の適正化への取組

措置命令が減った一方で、確約計画の認定と指導は増えています。処分の形が変わっただけで、表示が見られなくなったと考えるのは早いでしょう。インターネット上の広告の監視でも、令和7年度に324件の表示の改善を求める指導が行われています。

景品表示法違反の事例は不当表示の3つの類型で読み分ける

公表された事例を読むときは、まずどの類型の違反なのかを確かめておくと、自社の広告に当てはめやすくなります。

不当表示は、景品表示法の第5条で3つの類型に分けて禁じられています。報道発表に書かれる号と、事例で問われた表示を結ぶと、以下のように分かれます。

類型 条文 事例で問われた表示の例
優良誤認 第5条第1号 根拠のない効果、調査の中身が伴わないNo.1
有利誤認 第5条第2号 売った実績のない通常価格、終わらない期間限定、小さく書いた例外条件
指定告示の表示 第5条第3号 口コミやSNSのステマ規制違反、在庫のないおとり広告、原産国の表示

課徴金の対象になるのは、このうち優良誤認と有利誤認の2つだけです。ステマやおとり広告は、措置命令の対象にはなっても課徴金は課されません。

景品表示法違反の事例で最も多い有利誤認は価格と期間の表示で起きている

有利誤認の事例を追うと、問題になった表示の多くは「通常価格」と「期間」の2つに集まっています。

価格を比べる表示や、今申し込むと得だと伝える表示は、申込を後押しする力が強いぶん、実際との食い違いが目立ちやすいからです。令和7年度の事例から取り上げるのは、型の違う次の3つです。

  • 将来の通常価格と比べた二重価格
  • 支払った人のいない入会金を「0円」にした表示
  • 期間が過ぎても同じ条件だった期間限定

それぞれ詳しく解説します。

将来の通常価格と比べた二重価格は販売の計画がなければ有利誤認になる

「セール後はこの価格に戻ります」という表示は、実際にその価格で売る確かな計画がなければ有利誤認になります。

株式会社ジャパネットたかたは、2025年9月12日に措置命令を受けました。自社の通販サイトで、おせち料理について下記のように表示していた事例です。

  • 「ジャパネット通常価格29,980円が」
  • 「1万円値引き 7/22~11/23」
  • 「値引き後価格19,980円(税込)」

消費者庁は、この表示が「通常価格」をセール期間の後に使う将来の販売価格であるかのように示していたとしました。そのうえで、セール後にその価格で売るための、合理的で確実に実施される販売計画がなかったとしています。値引き前の価格を「将来の価格」にするときは、その価格で実際に売る計画と記録まで用意しておきましょう。

出典:株式会社ジャパネットたかたに対する景品表示法に基づく措置命令について|消費者庁

支払った人のいない入会金を「0円」と書くと有利誤認になる

入会金や手数料を「◯円→0円」と書くときは、元の金額を実際に払った人がいることが前提です。

株式会社NOVAランゲージカンパニーは、2025年10月17日に措置命令を受けました。英会話教室のサイトで、入会金について以下のような表示をしていました。

コース 表示 実際
おためし留学 「入会金 一般 20,000円(税込22,000円)▶0円」 最近相当期間にわたって、その入会金を支払わせた実績がなかった
NOVAバイリンガルKIDS 「入会金 KIDS 10,000円(税込11,000円)▶0円」 同じく、支払わせた実績がなかった

いつも無料なら、「0円」は値引きではなく、ふだんの料金です。それを「22,000円が0円」と書けば、今だけ得をするように見えてしまいます。年会費や口座の手数料を「無料」とうたう広告でも、比べている元の金額が実際に取っていたものかを確かめておきましょう。

出典:株式会社NOVAランゲージカンパニーに対する景品表示法に基づく措置命令について|消費者庁

期間を過ぎても同じ条件なら期間限定の表示は有利誤認になる

「4月30日まで」と書いたキャンペーンが、5月になっても同じ条件で続いていると、期間限定の表示は有利誤認になります。

株式会社創建は、2025年9月22日に措置命令を受けました。外壁塗装の申込について、「好評につき期間延長!4/1~4/30まで」「窓リフォーム代追加費用実質0円!」などと表示していた事例です。実際には、期限の後に申し込んだ人にも、同じかそれ以上の箇所数の内窓の設置が無料で提供されていました。

光回線のビッグローブ株式会社も、同じ型の疑いで2025年9月26日に確約計画の認定を受けています。特典の期間を示しながら、期間の後も同じような特典が続いていた疑いについて、同社が出した計画には以下のような中身が含まれました。

  • 同じような行為を行わないことを取締役会で決議する
  • 違反の疑いのあった行為の内容を、一般消費者に周知する
  • 表示していた期間に申し込んだ人に、支払われた額の一部を返金する

返金まで求められれば、表示を直すだけでは済まないでしょう。期間を区切ったキャンペーンは、終わった後に同じ条件を続けないか、続けるなら期間の表示を外すかを、始める前に決めておきましょう。

出典:株式会社創建に対する景品表示法に基づく措置命令について|消費者庁、ビッグローブ株式会社から申請があった確約計画の認定について|消費者庁

景品表示法違反の事例のうち優良誤認は根拠の資料とNo.1表示で問われた

優良誤認の事例では、効果を示す根拠の資料と、No.1の調査の中身の2点が繰り返し問われています。

どちらも、広告を出す前に資料をそろえられたかどうかで結果が分かれるものです。取り上げる事例は、次の2つの型に分けられます。

  • 消費者庁に求められた根拠の資料が、合理的な根拠と認められなかった
  • No.1の表示のもとになった調査が、客観的な調査と認められなかった

それぞれ詳しく解説します。

効果の表示は合理的な根拠の資料を出せなければ優良誤認とみなされる

効果や性能をうたう表示は、消費者庁から根拠の資料を求められ、期間内に合理的な根拠を示せなければ優良誤認とみなされます。

これは景品表示法の第7条第2項の定めで、不実証広告規制と呼ばれます。P&Gジャパン合同会社は、2025年8月1日にこの規定の適用を受けて措置命令を受けました。「ファブリーズ お風呂用防カビ剤」の商品パッケージで、「お風呂に置くだけで黒カビを防ぐ」「防カビ効果は約6週間持続します」などと表示していた事例です。

同社は期間内に資料を出しましたが、消費者庁は、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認めませんでした。

根拠の資料が問われた事例では、課徴金が大きくなることもあります。二酸化塩素による空間除菌をうたった「クレベリン」の商品では、大幸薬品株式会社に6億744万円の課徴金の納付が命じられました(2023年4月11日)。2つの事例を並べたのが次の表です。

事業者 商品 処分
P&Gジャパン合同会社 お風呂用防カビ剤 措置命令(2025年8月1日)
大幸薬品株式会社 空間除菌をうたう置き型やスプレーなど 課徴金6億744万円(2023年4月11日)

根拠は、表示を決める前にそろえておくものです。求められてから探しても間に合わないため、効果や数字を書く前に、その根拠の資料を社内に残しておきましょう。

出典:P&Gジャパン合同会社に対する景品表示法に基づく措置命令について|消費者庁、大幸薬品株式会社に対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について|消費者庁

No.1の表示は調査の対象者と比べた相手が問われる

「お客様満足度No.1」の表示では、調査を行ったかどうかより、誰に何を聞いたかが問われます。

エクスコムグローバル株式会社は、2026年3月12日に1億7262万円の課徴金の納付を命じられました。海外Wi-Fiレンタルの広告で、「お客様満足度 No.1」「海外旅行者が選ぶ No.1」などと表示していた事例です。消費者庁が問題にした調査の中身は、下記のとおりです。

  • 回答者が、実際にそのサービスを使ったことがある人かを確かめていなかった
  • 比べる相手を、特定の9事業者のサービスだけに任意に絞っていた
  • 聞いていたのは、各社のWebサイトの印象だった

太陽光発電と蓄電池の株式会社新日本エネックスも、同じ型の調査にもとづくNo.1の表示で、2025年6月5日に9989万円の課徴金の納付を命じられています。調査会社に頼んだ調査でも、中身が伴わなければ広告主の責任になります。No.1や順位を書くときは、比較広告と同じく、調査の対象者、比べた範囲、時点を確かめてから使いましょう。

出典:エクスコムグローバル株式会社に対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について|消費者庁、株式会社新日本エネックスに対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について|消費者庁

景品表示法違反の事例にはステマとおとり広告の第5条第3号の表示もある

第5条第3号の事例は件数こそ少ないものの、口コミやSNSを使う広告主には身近な違反です。

第5条第3号は、内閣総理大臣が告示で指定した表示を禁じる定めで、2023年10月からはステマもここに含まれています。事例を読み解くうえで押さえたいのは、以下の2つです。

  • ステマは口コミやSNSの投稿を頼んだ時点で広告主の表示になる
  • おとり広告は用意できない商品を広告に載せると当たる

それぞれ詳しく解説します。

ステマは口コミやSNSの投稿を頼んだ時点で広告主の表示になる

見返りを約束して投稿を頼めば、書いたのが一般の人でも、その投稿は広告主の表示として扱われます。

ステマの告示にもとづく措置命令としては、まず2024年6月の医療法人社団祐真会の事例があります。その後も、口コミのサイト、Instagram、Xと場所を変えて続いた事例は、下記の4つです。

事業者 処分 問題とされた頼み方
医療法人社団祐真会 措置命令(2024年6月6日) Googleマップで星5か星4を投稿することを条件に、インフルエンザワクチンの接種費用を割り引くと伝えた
大正製薬株式会社 措置命令(2024年11月13日) 商品の無償提供と対価を条件にInstagramへの投稿を頼み、その投稿を抜き出して自社サイトに載せた
株式会社LAVA International 確約計画の認定(2025年8月28日) ホットペッパービューティーに星5の口コミを書けば次回500円引きと伝え、従業員も星5を投稿していた疑い
SNOW Japan株式会社ほか1社 措置命令(2026年8月6日) 対価を払い、指示した方針に沿った投稿をXにするよう頼んだ

どの事例でも、投稿や抜き出した表示に、広告主が頼んだものであることが示されていませんでした。大正製薬の事例のように、頼んで書いてもらった投稿を自社サイトに載せる場合も、同じように広告主の表示になります。謝礼の出し方や転載の扱いなど、ステマ規制と口コミの線引きは場面ごとに変わります。口コミやSNSの施策を始める前に、依頼の条件と「広告」「PR」の示し方を社内で決めておきましょう。

出典:医療法人社団祐真会に対する景品表示法に基づく措置命令について|消費者庁、大正製薬株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について|消費者庁、株式会社LAVA Internationalから申請があった確約計画の認定について|消費者庁、「SNOW」と称するアプリケーションの利用サービスの提供事業者2社に対する景品表示法に基づく措置命令について|消費者庁

おとり広告は用意できない商品を広告に載せると当たる

広告で「この期間に提供します」と書いた商品を、店で出せない日があれば、おとり広告に当たります。

株式会社あきんどスシローは、2022年6月9日におとり広告の告示にもとづく措置命令を受けました。テレビCMや自社サイトで、期間限定のうにやかにの料理を宣伝していた事例です。事例の流れを追うと、以下のようになります。

  1. 「9月8日(水)~9月20日(月・祝)まで!売切御免!」などと、期間中に提供するように表示した
  2. うにの在庫が足りなくなるおそれがあるとして、期間の途中の4日間、提供を止めることを決めた
  3. 別の料理は、店で提供する準備をしていない日があった

1つ目の料理を終日出さなかった日がある店舗は、583店舗にのぼりました。在庫が足りなくなると分かった時点で、広告を止めるか、表示を直すかの手を打つ必要があります。数量や期間を限った特典を広告するときも、特典を用意できる数と、足りなくなったときの告知の方法を先に決めておきましょう。

出典:株式会社あきんどスシローに対する景品表示法に基づく措置命令について|消費者庁

景品表示法違反の金融の事例ではカードのキャッシュバックの例外条件が問われた

金融の商品の事例として知られるのが、クレジットカードの入会キャンペーンで例外条件の書き方が問われた、株式会社イオン銀行の事例です。

2020年3月24日、消費者庁はイオン銀行に対し、有利誤認として措置命令を出しました。「【新規ご入会者限定】最大20%キャッシュバックキャンペーン」を、自社サイト、店頭のデジタルサイネージ、YouTubeの動画広告で宣伝していた事例です。表示からは、条件を満たせば1人10万円までの範囲で最大20%が戻るように読めましたが、実際には下記のような例外がありました。

  • 対象のカードを登録したIDでアプリにログインしていないと、キャッシュバックされない
  • 指定した対象外の項目の支払いには、キャッシュバックされない
  • 1回の支払いあたりの上限は1万円で、超えた分はキャッシュバックされない

例外は書かれていなかったわけではありません。

Webサイトでは、申込のバナーより下の最下部や、リンク先のページに、小さな文字で書かれていました。消費者庁は、この書き方では例外条件があると気づくのは難しく、強調した表示の印象を打ち消すものではないと判断しています。

出典:消費者庁の措置命令に基づくお知らせとお詫び|イオン銀行

令和7年度の運用状況では、金融・保険サービスの措置命令と確約計画の認定、指導はいずれも0件でした。ただし、金融の広告は、景品表示法のほかに貸金業法や金融商品取引法、保険業法などでも表示の決まりがあり、誇大広告の禁止も業法ごとに定められています。キャッシュバックや金利の優遇をうたうときは、例外条件を強調した表示と同じ画面、同じ視野に置けているかを確かめておきましょう。

景品表示法違反の事例から分かる確かめどころは5つある

ここまでの事例を並べると、広告を出す前に確かめておけば防げた点が5つ見えてきます。

取り上げた事例を類型ごとに並べ直すと、下記の図のようになります。

景品表示法違反の事例を類型ごとに整理した図。有利誤認は、将来の通常価格と比べた二重価格(ジャパネットたかた)、支払った実績のない入会金を0円とした表示(NOVA)、期間後も同じ条件だった期間限定(創建)、例外条件を離れた所に小さく書いた表示(イオン銀行)。優良誤認は、根拠の資料が認められなかった効果の表示(P&Gジャパン)、調査の中身が伴わないNo.1(エクスコムグローバル)。第5条第3号は、見返りを約束して頼んだ口コミやSNSの投稿(祐真会、大正製薬)、提供できない日があった期間限定の料理のおとり広告(あきんどスシロー)

どの事例も、表示の文言そのものより、表示と実際の食い違いが問われていました。事例と確かめどころの対応を、次の表にまとめました。

確かめどころ 防げた事例 確かめること
比べる価格の実績 ジャパネットたかた、NOVA 通常価格や元の金額で、実際に売っていたか、売る計画があるか
期間と数量 創建、ビッグローブ、あきんどスシロー 期間の後に同じ条件を続けないか、期間中に用意できるか
効果と順位の根拠 P&Gジャパン、エクスコムグローバル 根拠の資料と、調査の対象者、比べた範囲、時点
条件の置き場所 イオン銀行 例外条件が、強調した表示と同じ視野に読める大きさであるか
投稿の頼み方 祐真会、大正製薬、SNOW 見返りを約束した投稿に、広告であることが示されているか

5つのうち4つは、広告の原稿だけを見ても分かりません。売っていた価格の記録、キャンペーンの予定、調査の報告書のように、広告の外にある資料と照らして初めて確かめられます。

アフィリエイトの法律の上でも、メディアが書いた記事が広告主の表示として扱われることがあります。記事の中の「今だけ」「No.1」「口コミ」も、自社のLPと同じ5つの点で確かめておきましょう。メディアの数が多いときは、ASPを選ぶ段階で、記事を公開の前に確かめる仕組みがあるかを見ておくと、確認の手間を減らせます。

金融商品に特化したクローズド型のASPであるFinfluenceでは、メディアの記事を公開の前に1本ずつ審査しています。その審査で見ている表示のルールと確認項目は、金融広告の表示ルールの手引きにまとめましたので、社内の確認にご活用ください。

景品表示法違反の事例に関するよくある質問

ここでは、景品表示法違反の事例に関するよくある質問に回答します。事例を調べるときや、社内で共有するときの参考にしてください。

景品表示法違反の事例の一覧はどこで見られますか?

消費者庁のWebサイトの「景品表示法関連報道発表資料」で、年度ごとに一覧できます。

措置命令、課徴金納付命令、確約計画の認定のそれぞれに報道発表があり、表示の文言と実際が書かれています。目的ごとに見る資料を分けると、次のようになります。

  • 1件ずつの表示の文言と実際:景品表示法関連報道発表資料
  • 1年分の件数と事例の一覧:毎年5月ごろに公表される運用状況の資料
  • 類型ごとの考え方:消費者庁の「景品表示法における違反事例集」

自社の業種に近い事例から読んでいくとよいでしょう。

景品表示法違反で逮捕されることはありますか?

景品表示法には刑事罰の定めがあるため、刑事事件として扱われることもありえます。

優良誤認と有利誤認の表示には、100万円以下の罰金が定められています(第48条)。措置命令に従わない場合は、2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金で、法人には3億円以下の罰金が科されることがあります(第46条、第49条)。公表されている事例の多くは、措置命令や課徴金などの行政の処分です。

景品表示法違反の商品を買った場合、返金してもらえますか?

景品表示法には、買った人に返金を受ける権利を直接定めた規定はありません。

ただし、事業者が自ら返金を行う仕組みはあります。課徴金の手続きでは、事業者が買った人へ購入額の3%以上を返す計画を作って認定を受けると、課徴金が減額されるか、命じられなくなります(第10条、第11条)。確約計画にも返金が入ることがあり、ビッグローブやLAVA Internationalの計画には、申し込んだ人や利用した人への返金が含まれていました。

ガチャやくじのキャンペーンは景品表示法違反になりますか?

くじの景品は上限を守れば出せますが、絵柄をそろえると景品がもらえる「カード合わせ」は、金額に関係なく禁止されています。

オンラインゲームの「コンプガチャ」も、消費者庁はこのカード合わせに当たる場合があるとしています。購入者全員に配る総付景品とは上限の決まりが違うため、キャンペーンの形に合わせて確かめておきましょう。

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