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アドフラウドとは?主な種類と広告主の被害、見つけ方と対策を解説

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アドフラウドとは?主な種類と広告主の被害、見つけ方と対策を解説

Web広告の数字は伸びているのに、申込や契約が思ったほど増えないことはないでしょうか。

表示やクリックの中には、人ではなくプログラムが生んだものや、報酬を得るために作られた不正なものが混じっていることがあります。広告主の方は、下記のような悩みを抱えていることも多いでしょう。

  • アドフラウドという言葉は聞くが、どんな手口があるのか分からない
  • クリックは多いのに、申込につながらない配信先がある
  • 自社の広告が不正の被害を受けているか、確かめる方法を知りたい

アドフラウドで失うのは、広告費だけではありません。数字そのものがゆがむため、どこに予算を置くかの判断まで誤らせてしまいます。手口の種類と見つけ方を知り、配信の段階から防ぐ仕組みを整えておく必要があるのはそのためです。

本記事では、アドフラウドの意味と、アフィリエイトでの不正な成果を含む主な種類、広告主が受ける被害、見つけ方、審査のあるASPの選び方を含む対策を解説していますので、ぜひお役立てください。

この記事でわかること

  • アドフラウドは、広告の表示やクリック、成果を不正に水増しして広告費をだまし取る手法
  • 主な種類はボット、表示の水増し、クリックスパム、ドメインの偽装、アフィリエイトの不正な成果の5つ
  • 見つけるには、クリックの後の申込や契約までデータを照らし合わせる
  • アフィリエイトでは、メディアと掲載先を審査するASPを選ぶと不正を減らしやすい
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アドフラウドは広告費をだまし取る不正な手法

アドフラウドとは、ボットや不正なサイトを使って広告の表示やクリックを水増しし、広告費をだまし取る手法です。

日本のインターネット広告の業界団体である日本インタラクティブ広告協会(JIAA)は、アドフラウドについて次のように示しています。

「アドフラウド」は、広告主の予算を詐取するだけではなく、本来、正当な媒体社に費やされるべき広告費を、直接的あるいは間接的に、不当に横取りする行為であることも、改めて認識すべきであると考えます。

引用:アドフラウドに対するJIAAステートメント|一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会

被害を受けるのは広告主だけでなく、まじめに広告枠を提供している媒体も同じです。手口はさまざまですが、共通する特徴は以下の3つにまとめられます。

  • 人が見ていない表示や、興味のないクリックに広告費が払われる
  • 不正を行う側は、広告の報酬や広告枠の収入を目的にしている
  • 手口が年々変わり、管理画面の数字だけでは見分けにくい

防ぐための最初の一歩は、不正と、悪意のない無効なアクセスを分けて考えることです。

アドフラウドと無効なトラフィックは分けて考える

検索エンジンのクローラーによるアクセスも、広告の成果としては数えられませんが、アドフラウドとは別物として扱うのがおすすめです。

JIAAも、無効なトラフィック(IVT)とアドフラウドは目的も対象範囲も異なるとして、区別して扱っています。中身、悪意、主な対策の3点で比べると、2つの違いは下記の表のようになります。

比べる点 無効なトラフィック(IVT) アドフラウド
中身 広告の成果として数えるべきでないアクセス全般 広告費をだまし取るために作られたアクセスや成果
悪意 あるものも、ないものも含む ある
主な対策 計測やレポートから取り除く 不正な配信先や取引相手との取引を止める

クローラーなどによるアクセスは、配信の会社がレポートから除くことが多く、広告主が手を打つ場面は限られます。広告主が特に気をつけたいのは、報酬を得る目的で作られたアドフラウドのほうです。

アドフラウドの主な種類は5つ

アドフラウドの主な種類は、ボットによる不正、表示の水増し、クリックスパム、ドメインの偽装、アフィリエイトの不正な成果の5つです。

アドフラウドの主な種類を5つに分けた図。表示をごまかすものに、インプレッションの水増しとドメインの偽装、クリックをごまかすものに、ボットによる不正なクリックとクリックスパム・クリックインジェクション、成果をごまかすものに、アフィリエイトの不正な成果がある

手口は違っても、狙いは同じです。広告の表示、クリック、成果のどこかを偽って、報酬を得ようとします。偽る場所ごとに見ると、主な種類は次の5つです。

  • ボットによる不正なクリックと表示
  • インプレッションの水増し
  • クリックスパムとクリックインジェクション
  • ドメインの偽装
  • アフィリエイトでの不正な成果

それぞれ詳しく解説します。

ボットによる不正なクリックは人のふりをしたプログラムが起こす

プログラムで動くブラウザや乗っ取られた端末が、人のふりをして広告を表示させたりクリックしたりするのが、ボットによる不正です。

クリックごとに費用がかかる広告では、ボットのクリックがそのまま広告費になります。ボットが混じっている配信先では、以下のような動きがよく見られます。

  • 同じ時間帯や同じ地域から、クリックがまとまって発生する
  • クリックの後、ページをほとんど見ずに離れる
  • クリックは多いのに、申込がまったくない

厄介なことに、最近のボットはマウスの動きやページのスクロールまでまねることがあります。1つの数字だけで判断すると、見逃すか、人のクリックまで疑ってしまいかねません。いくつかの動きを組み合わせて確かめましょう。

インプレッションの水増しは見えない広告を大量に表示させる

表示の回数は多いのに、実際には誰の目にも入っていない、というのがインプレッションの水増しです。

表示の回数で費用が決まるディスプレイ広告などでは、見られていない表示にも費用が払われてしまいます。よく使われる手口は、下記の3つです。

  • 広告をとても小さくしたり、ほかの要素の下に隠したりして表示する
  • 1つの枠に広告を何枚も重ねて表示する
  • ページを自動で何度も読み込み直し、表示を増やす

表示の回数が多いわりにクリックがほとんどない配信先は、水増しを疑ってみましょう。広告が実際に画面に映ったかを測るビューアビリティの指標も、あわせて確かめると安心です。

クリックスパムとクリックインジェクションは成果の手柄を横取りする

広告がなくても生まれていた成果を、自分のクリックから生まれたように見せるのが、クリックスパムとクリックインジェクションです。

多くの計測では、成果(コンバージョン)の直前にあったクリックに手柄を与えます。2つの手口は、どちらもこの仕組みを悪用したものです。クリックの記録のしかたで、次のように分かれます。

手口 中身
クリックスパム 利用者が気づかないうちに大量のクリックを記録し、後で自然に生まれた成果を自分のものにする
クリックインジェクション スマートフォンの不正なアプリが、ほかのアプリのインストールを察知し、その直前にクリックを差し込む

問題は、放っておいても生まれていた成果に報酬が払われてしまうことです。クリックから成果までの時間が極端に短い、または長すぎる成果が多い場合は注意しましょう。

ドメインの偽装は質の低いサイトを有名なサイトに見せかける

有名なサイトに広告を出したつもりが、実際には別のサイトに表示されていた、ということが起こるのがドメインの偽装です。

質の低いサイトや違法なサイトが、有名なサイトのふりをして広告枠を売ります。広告主の側で起きる問題は、以下の3つです。

  • 高い単価で、価値の低い広告枠を買わされる
  • 違法なサイトや不適切なサイトに、自社の広告が表示される
  • 配信先のレポートと、実際に表示された場所が一致しない

ドメインの偽装は、媒体が広告枠を売ってよい事業者を公開する「ads.txt」という仕組みで減らせます。配信の会社(アドネットワークなど)が、ads.txtに対応した枠を選んで配信しているかを確かめておきましょう。

アフィリエイトでの不正は成果そのものを偽る

ここまでの4つが表示やクリックを偽るのに対し、アフィリエイトでの不正は、報酬の対象になる申込や契約そのものを偽ります。

成果に応じて報酬を払うアフィリエイトでは、成果を偽れば報酬を得られるため、不正の的になりやすい面があります。ほかの手口との違いは、下記の3点です。

  • 偽るのは、表示やクリックではなく申込や契約
  • 申込の件数では見分けにくく、審査や契約の結果で差が出る
  • 報酬を受け取る側である、提携先のメディアが不正を行うことがある

金融商品のように1件あたりの報酬が大きい商品ほど、成果を偽る動きが起きやすくなります。手口は多いものの、アフィリエイトで起きやすいのは主に次の5つです。

不正 中身
自己アフィリエイトの悪用 メディアが自分や家族で申込を繰り返し、すぐに解約する
架空の申込 実在しない人や、他人の情報で申込をする
指名キーワードへの入札 禁止されているのに、広告主の社名や商品名でリスティング広告を出し、成果を横取りする
Cookieの不正な書き込み 利用者が広告を選んでいないのに、見えない形でクリックを記録する
報酬を条件にした申込の誘導 広告主が認めていない特典で、申込だけを目的とした人を集める

どれも、申込の件数は増えても、実際に顧客になる人は増えません。広告主の側では、成果の条件と、提携するメディアの選び方の両方で防ぐことが大切です。提携するメディアを審査しているかどうかは、金融商品のASPの選び方でも大切な比べどころです。

アドフラウドで広告主は3つの損をする

アドフラウドの被害は、広告費のむだ、判断のゆがみ、ブランドの傷の3つに分けられます。

広告費が減るだけなら、請求書を見れば気づけます。怖いのはあとの2つで、どちらも気づかないまま広がりやすい被害です。3つの被害と、それぞれで起きることは次の表の通りです。

被害 起きること
広告費のむだ 人が見ていない表示や、不正なクリック、偽の成果に費用を払う
判断のゆがみ 不正の多い配信先が成果の良い配信先に見え、予算を寄せてしまう
ブランドの傷 違法なサイトや不適切なサイトに広告が出て、信頼を損なう

特に厄介なのが、判断のゆがみです。クリックの単価(CPC)が安く、クリックの数も多い配信先は、数字の上では優秀に見えます。その結果、不正の多い配信先ほど予算を増やしてしまう、という逆さまのことが起こります。

金融商品のように信頼が大切な商品では、不適切なサイトに広告が出ることの痛手も大きくなります。広告費の損だけでなく、判断とブランドへの影響も含めて対策を考えましょう。

アドフラウドはデータの不自然な動きから見つける

アドフラウドを見つけるには、表示やクリックの数字だけでなく、その後の申込や契約まで照らし合わせることが大切です。

アドフラウドを疑うデータの動きの図。表示やクリックの段階では、クリック率が急に上がる、特定の時間帯や地域にクリックが集まる、滞在がとても短い。申込や契約の段階では、申込率が極端に低い、同じ情報の申込が続く、契約まで進まない申込が多い

不正は、ある段階の数字だけ良く見え、次の段階で急に落ちる形で現れることが多いためです。見るべき場所は、以下の2つに分かれます。

  • 表示とクリックの動きを確かめる
  • 申込の後の工程まで照らし合わせる

それぞれ詳しく解説します。

表示とクリックの動きを確かめる

配信先ごとに表示とクリックの数字を並べてみて、1つだけ飛び抜けているところがあれば、不正の可能性があります。

ほかの配信先と比べて不自然なところがないかが、見分ける手がかりです。特に目を向けたいのは、下記の4つの動きです。

  • クリック率(CTR)が、ほかの配信先より極端に高い
  • 深夜など、特定の時間帯にクリックが集中している
  • 広告の対象にしていない地域や国からのクリックが多い
  • クリックの後の滞在の時間が、ほとんどない

どれか1つが当てはまっても、すぐに不正とは限りません。深夜のクリックが多いのは、たまたまその時間に読まれるサイトだからかもしれないからです。いくつかが重なる配信先から、優先して詳しく調べましょう。

申込の後の工程まで照らし合わせる

申込の件数だけを見ていると、偽の申込も立派な成果に見えてしまいます。

アフィリエイトのように成果に報酬を払う広告では、申込の後の審査や契約まで照らし合わせることが欠かせません。偽の申込は、審査を通らなかったり、契約の後すぐに解約されたりすることが多いためです。照らし合わせる場面では、次の3点を確かめます。

  • 審査を通った割合が、ほかの配信先より極端に低くないか
  • 同じ氏名や連絡先、同じ端末からの申込が続いていないか
  • 申込の直後の解約や、利用のない口座が多くないか

申込の後の結果を配信先ごとに見られるようにしておくと、不正アフィリエイトの多い配信先がはっきりします。そのために、自社の申込データと広告の成果を1件ずつ結び付けておきましょう。

アドフラウドの対策は4つ

アドフラウドの対策は、ツールの利用、配信先の管理、成果の条件の設計、審査のあるASPや媒体の選択の4つです。

どれか1つで防げるものではないため、配信の前と後の両方で手を打つことが大切です。組み合わせて使いたい対策は、以下の4つです。

  • 不正を見つけるツールを使う
  • 配信先を管理する
  • 成果の条件と否認のルールを決める
  • 審査のあるASPや媒体を選ぶ

それぞれ詳しく解説します。

不正を見つけるツールを使う

配信の量が多くなると、人の目で1件ずつ確かめるのは現実的ではなく、アドフラウドを見つける専門のツールが役に立ちます。

ツールに任せられるのは、主に下記の3つです。

  • ボットや不正なアクセスを見分け、クリックや表示を記録から除く
  • 不正の多い配信先を見つけ、配信を止める
  • 配信先ごとの不正の状況をレポートで確かめる

ただ、ツールを入れれば終わりではありません。表示の水増しが心配なのか、偽の成果が心配なのかで、選ぶツールは変わります。入れる前に、自社の広告のどこに不正が多そうかを整理しておきましょう。

配信先を管理する

JIAAが最も有効な手段として挙げているのは、不正なサイトやページへの広告配信を抑えることです。

配信先を管理し、不正の多い場所に広告が出ないようにしておけば、そもそも不正な表示やクリックが生まれません。配信先の管理には、次の4つの方法があります。

  • 不正の多い配信先を、除外のリストに入れる
  • 配信してよい配信先だけを選ぶ、許可のリストを使う
  • ads.txtに対応した広告枠に配信する
  • 配信先のレポートを定期的に確かめる

配信先を絞ると、届く人の数は減ることがあります。量より質を優先したい商品なら、許可のリストで配信先を選ぶ方法が向いています。

成果の条件と否認のルールを決める

「申込」を成果にしていると、偽の申込にも報酬を払わざるを得なくなります。

アフィリエイトなど成果に報酬を払う広告では、何を成果とするかと、どんな場合に否認するかを先に決めておくことが対策になります。条件があいまいなままでは、不自然な成果を見つけても断る根拠がありません。決めておきたい条件として、以下の3つが挙げられます。

  • 報酬の対象を、申込ではなく審査の通過や契約にする
  • 同じ人からの重ねての申込は、報酬の対象にしない
  • 申込の直後に解約された場合は、否認できるようにする

否認のルールは、メディアに事前に示しておきましょう。

審査のあるASPや媒体を選ぶ

不正を後から見つけて否認するより、不正を行う相手と初めから取引しないほうが、手間も損も小さくて済みます。

アフィリエイトを使うなら、提携するメディアや掲載先を審査しているASPを選ぶのが近道です。ASPを比べる際は、下記の3点を確かめておきます。

  • メディアの登録や、広告主との提携に審査があるか
  • 広告を載せる記事やサイトのURLを確かめているか
  • 不正が見つかったときの対応の流れが決まっているか

参加するメディアを選び、掲載先を確かめたうえで広告を出すクローズドASPは、アフィリエイトの不正を減らしやすい仕組みです。

クローズドASPで不正を減らす流れの図。メディアの登録の審査、広告主との提携の審査、掲載する記事のURLの審査を経て掲載が始まり、成果は広告主の申込データと照らし合わせてから確定する

誰でも参加できるASPでは、不正を行うメディアが紛れ込む余地が大きくなります。クローズドASPでは、以下の4つの段階で不正をふるい落とします。

  1. メディアの登録を審査し、運営者の実在を確かめる
  2. 広告主ごとに、提携してよいメディアを選ぶ
  3. 広告を載せる記事やサイトのURLを、掲載の前に確かめる
  4. 成果を広告主の申込データと照らし合わせてから確定する

掲載先が分かっていれば、不自然な成果が出たときに、どの記事から生まれたのかをすぐに確かめられます。

たとえば金融商材に特化したクローズド型のASPであるFinfluenceでは、提携するメディアを選び、広告を載せる記事のURLを1件ずつ審査しています。不正の判定と対応の流れは、不正対策・品質方針で公開していますので、ASPを比べる際の参考にしてください。

審査の流れも含めたFinfluenceの仕組みは、広告主向けのサービス資料にまとめています。今の配信で不正が気になっている場合も、お問い合わせからご相談いただけます。

アドフラウドに関するよくある質問

ここでは、アドフラウドに関するよくある質問に回答します。広告の配信を見直す際の参考にしてください。

アドフラウドの被害に遭ったら、広告費は返ってきますか?

返ってくる場合もありますが、必ずではありません。

広告の媒体によっては、無効と判断したクリックの費用を返したり、請求から除いたりする仕組みがあります。返金を求めるにも、どのクリックが不正だったかを示す材料が要ります。不正が疑われる場合は、配信先やクリックの記録をそろえて、配信の会社やASPに相談しましょう。

小さな予算の広告でもアドフラウドの対策は必要ですか?

必要です。

予算が小さいほど、一部の不正が広告費や成果の数字に与える影響は大きくなります。まずは費用のかからない方法として、配信先のレポートと、申込の後の結果を照らし合わせることから始めましょう。

検索広告でもアドフラウドは起きますか?

起きることがあります。

リスティング広告の費用はクリックごとにかかるため、ボットや競合によるクリックが広告費を減らすことがあります。多くの検索広告の媒体は無効なクリックを除く仕組みを持っていますが、クリックの後の動きもあわせて確かめておくと安心です。

アドフラウドと広告詐欺は同じ意味ですか?

同じ意味です。

アドフラウドは、英語の「ad fraud」をそのままカタカナにした言葉です。言葉を分けると、以下の表のようになります。

言葉 意味
アド(ad) 広告
フラウド(fraud) 詐欺、不正

日本語の記事や資料では、広告詐欺や広告の不正と言い換えて書かれることもあります。社内で話すときは、どちらの言葉を使うかをそろえておくと、報告や相談の食い違いを防げます。

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