顕在層と潜在層の違いとは?意味と層ごとに届く広告、アプローチの進め方を解説
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広告やデジタルマーケティングの施策を考えるとき、まず決めたいのが誰に届けるかです。
同じ広告でも、商品を探している人に届けるのか、まだ必要性に気づいていない人に届けるのかで、成果は大きく変わります。マーケティングの担当者の方は、下記のような悩みを抱えていることも多いでしょう。
- 顕在層と潜在層の違いを、社内でうまく説明できない
- 申込は顕在層から来るのに、潜在層に広告を出す意味があるのか分からない
- 層ごとにどの広告を使えばよいのか決められない
住宅や保険、金融商品のように検討期間が長い商品では、今日は必要ないと思っている人が、数か月後に申込を考えることも少なくありません。今月の申込だけを見ていると、この人たちは視界に入ってきません。顕在層だけを追うのではなく、潜在層との違いを知ったうえで、両方への届け方を組み立てることが大切です。
本記事では、顕在層と潜在層、準顕在層の違い、層ごとに届きやすい広告、潜在層を顕在層へ育てる進め方を解説していますので、ぜひお役立てください。
この記事でわかること
- 顕在層は自分から商品を探している人、潜在層は必要性にまだ気づいていない人
- 顕在層には検索広告、アフィリエイト、比較サイトが、潜在層にはSNS広告、動画、記事広告が届きやすい
- 検討に時間がかかる商品ほど、潜在層を顕在層へ育てる道筋を用意する
- 層ごとに成果の測り方を変えると、施策を正しく比べられる

顕在層は自分から商品を探している人、潜在層はまだ必要性に気づいていない人
顕在層は、自分の困りごとや欲しいものに気づき、解決できる商品を自分から探している人のことです。
潜在層は、困りごとをまだはっきり自覚していない、または商品で解決できると知らない人を指します。自覚、行動、人数、申込までの近さの4点で比べると、2つの層の違いは下記の表のようになります。
| 比べる点 | 顕在層 | 潜在層 |
|---|---|---|
| 自覚 | 困りごとや必要性に気づいている | 困りごとをまだはっきり自覚していない |
| 行動 | 検索や比較で自分から探している | 自分からはほとんど探していない |
| 人数 | 少ない | 多い |
| 申込までの近さ | 近い | 遠い |
顕在層は人数が少ないかわりに申込に近く、潜在層は人数が多いかわりに申込までに時間がかかります。どちらか一方だけを狙うより、層ごとの役割を分けて考えるほうがうまくいきます。
また、顕在層と潜在層のあいだには、必要性に気づき始めているものの、まだ具体的な商品を探していない準顕在層がいます。

準顕在層は、「そろそろ考えたほうがいいかもしれない」と感じ始めた段階の人です。3つの層をあわせると、以下のように整理できます。
- 潜在層:困りごとや必要性にまだ気づいていない
- 準顕在層:必要性に気づき始め、情報を集め出している
- 顕在層:必要性がはっきりし、商品を比べて選んでいる
それぞれ詳しく解説します。
潜在層は困りごとをまだ自覚していない
将来の資金の準備をまだ考えていない人や、法人カードで経費の精算が楽になると知らない経営者は、潜在層に当てはまります。
どちらも、商品が解決する困りごとを、まだ自分のこととして感じていません。こうした人には、次のような様子がよく見られます。
- 商品の名前や仕組みをほとんど知らない
- 自分に関係のある話だと思っていない
- 検索でその商品を調べることがない
潜在層に届きやすいのは、商品の売り込みよりも、困りごとに気づいてもらう情報です。関係ないと思っている人に申込を求めても、広告は読み飛ばされてしまいます。いきなり申込を求めず、まずは知ってもらうことを目標にしましょう。
準顕在層は情報を集め始めている
「資産運用 始め方」と検索する人は、商品名ではなく目的の言葉で調べている点で、準顕在層の典型です。
必要性に気づき始め、関連する情報を少しずつ集めている段階で、困りごとや目的の言葉で検索することが多くなります。まだ、どの商品にするかまでは考えていません。準顕在層がよく探しているのは、下記のような情報です。
- 困りごとの解決のしかたや、選択肢の種類
- 始める前に知っておきたい基本的な仕組み
- 自分に合う選び方の考え方
準顕在層には、選び方や基本の仕組みを解説する記事で届けるコンテンツマーケティングが向いています。この段階で信頼を得ておくと、商品を比べる段階で思い出してもらいやすくなります。
顕在層は商品を比べて選んでいる
顕在層になると、検索の言葉は商品名や「おすすめ」「比較」に変わり、条件や評判の見比べが始まります。
必要性がはっきりし、どの商品にするかを比べて選んでいる人です。比べるときに見られているのは、主に以下の点です。
- 金利や手数料などの条件
- 申込の手軽さや審査の流れ
- ほかの商品との違いや評判
顕在層に効果的なのは、条件を分かりやすく示す比較記事や、申込に近い広告です。ここで条件の書き方を誤ると、比べている人の信頼を一度に失います。比較広告の表示のルールに沿って、条件を正確に伝えることを心がけましょう。
顕在層と潜在層では届きやすい広告が違う
顕在層と潜在層では、同じ広告を出しても反応が大きく変わるため、層ごとにWeb広告の種類を使い分ける必要があります。
顕在層には自分から探している人に届く広告が、潜在層には探していない人の目にとまる広告が向いています。準顕在層も含めて、層ごとの広告と目的を次の表にまとめました。
| 層 | 届きやすい広告 | 目的 |
|---|---|---|
| 顕在層 | 検索広告、アフィリエイト、比較サイト掲載 | 申込につなげる |
| 準顕在層 | オウンドメディア、比較記事、リターゲティング | 候補に入れてもらう |
| 潜在層 | SNS広告、動画広告、記事広告、オウンドメディア | 知ってもらう |
それぞれ詳しく解説します。
顕在層には検索広告とアフィリエイトが届きやすい
探している人と比べている人に届く、検索広告、アフィリエイト、比較サイト掲載の3つが、顕在層向けの広告です。
検索広告(リスティング広告)は商品名や比較の言葉で検索した人に届き、アフィリエイトは比較記事を読んでいる人に届きます。どちらを使うにしても、大切なのは下記の3つです。
- 検索された言葉と広告の内容をそろえる
- 条件を正確に、分かりやすく示す
- 申込までの手順を少なくする
ただ、顕在層は申込に近いぶん、多くの事業者が同じ人を取り合います。条件の分かりやすさと表示の正確さで、選ばれる理由をつくりましょう。
潜在層にはSNS広告や動画、記事広告が届きやすい
自分から探していない人の目にとまるのは、SNS広告、動画広告、記事広告です。
SNSや動画を見ている人に、困りごとに気づくきっかけを届けられるためです。潜在層向けの広告では、以下の3点を大切にします。
- 商品の売り込みより、困りごとへの気づきを届ける
- すぐに申込を求めず、次に読む情報を用意する
- 表示のルールに沿って、誇張した表現を避ける
すぐに申込が増えなくても構いません。潜在層向けの広告は、数か月後の申込の土台になるからです。
顕在層を増やすには潜在層から育てる道筋を用意する
顕在層を増やすには、潜在層を顕在層へ少しずつ育てていく道筋(カスタマージャーニー)を用意することが大切です。

特に、将来の生活やお金に関わる商品は、多くの人が時間をかけて比べてから申し込みます。気づいてから申し込むまでを、次の4つの手順でつないでいきます。
それぞれ詳しく解説します。
潜在層にはまず困りごとに気づいてもらう
最初の一歩で見せるのは、商品ではなく困りごとです。
老後の資金や急な出費への備えのように、読者が自分のこととして感じられる話題から入ります。身近な話題であるほど、自分には関係ないという思い込みがほどけやすくなります。気づきを届ける話題には、例えば下記のようなものがあります。
- 生活の変化とお金の備え
- 事業の資金繰りや経費の手間
- 知らないと損をしやすいお金の仕組み
この段階では、商品名を前に出しすぎないことがポイントです。読者の関心を得てから、次の情報へ案内しましょう。
準顕在層にはオウンドメディアで信頼を積み上げる
選び方や仕組みを分かりやすく伝えるオウンドメディアの記事が、準顕在層との接点になります。
自社の記事で役に立つ情報を得た人は、商品を比べる段階で自社を思い出しやすくなります。信頼を積み上げる記事にするには、以下の3つを守ります。
- 読者の疑問にそのまま答える
- 条件やリスクも隠さずに書く
- 更新日を示し、内容を新しく保つ
読んで満足した人が次にどこへ進むかも、記事の側で用意しておく必要があります。記事から比較や申込へ進める導線も、あわせて整えておきましょう。
顕在層になったら申込までの手間を減らす
候補に入ったのに、申込の手順が多くて途中で離れてしまう、というのが顕在層でいちばん惜しい失い方です。
比較して選ぶ段階に入ったら、申込までの手間をできるだけ減らすことが大切です。手間を減らす主な方法として、次の3つが挙げられます。
- 広告や記事の条件と、申込ページの条件をそろえる
- 入力の項目を必要なものだけにする
- 申込の流れと必要なものを先に示す
この段階では、検索広告とアフィリエイトの役割が大きくなります。申込ページの改善(LPO)もあわせて進めておくと、せっかく集めた人を取りこぼしません。
顕在層と潜在層で成果の測り方を変える
顕在層向けと潜在層向けの施策は、目的が違うため、同じ物差しで成果を測らないことが大切です。
潜在層向けの施策を申込の件数だけで測ると、効果がないように見えてしまいます。実際には役目を果たしていても、予算を削る判断につながりかねません。層ごとの目的と見る数字の例は、下記の通りです。
| 層 | 主な目的 | 見る数字の例 |
|---|---|---|
| 潜在層 | 知ってもらう | 表示や再生の数、記事への流入 |
| 準顕在層 | 候補に入れてもらう | 記事の再訪、資料請求、指名での検索 |
| 顕在層 | 申し込んでもらう | 申込の件数、審査や契約まで進んだ件数 |
層ごとに見る数字を分けて効果測定をすると、どの施策が役目を果たしているかを正しく比べられます。
潜在層から顕在層までを一続きで組み立てたいときは、Finfluenceのマーケティング支援にご相談ください。広告運用からオウンドメディア、アフィリエイトまで、層ごとの施策をまとめて設計できますので、お問い合わせからお気軽にご連絡ください。
顕在層と潜在層に関するよくある質問
ここでは、顕在層と潜在層に関するよくある質問に回答します。施策を考える際の参考にしてください。
顕在層と潜在層の読み方を教えてください
顕在層は「けんざいそう」、潜在層は「せんざいそう」と読みます。
顕在は、はっきりと表に現れていることを、潜在は、表に現れずに内に隠れていることを指す言葉です。3つの層の読み方は、以下の表の通りです。
| 層 | 読み方 |
|---|---|
| 顕在層 | けんざいそう |
| 準顕在層 | じゅんけんざいそう |
| 潜在層 | せんざいそう |
必要性が表に現れて行動に出ている人が顕在層、まだ内に隠れている人が潜在層、と覚えておくと取り違えません。
顕在層と潜在層の割合はどう見ればよいですか?
商品や市場によって違うため、一律の割合はありません。
検索の数や自社サイトへの流入のされ方から、それぞれの層のおおよその大きさをつかむのが現実的です。正確な割合を出すことより、層ごとの大きさがどう動いているかを追うほうが、施策の判断には役立ちます。新しい商品ほど潜在層の割合が大きくなりやすい、と考えておくとよいでしょう。
BtoBの商品でも同じ考え方ですか?
同じ考え方が使えます。
BtoBマーケティングで扱う法人向けのサービスや法人カードのような商品でも、困りごとに気づく段階から比べて選ぶ段階までの流れは変わりません。ただし、社内で検討する人が複数いることが多いため、資料請求など準顕在層向けの接点を厚くするのが効果的です。
層ごとに違う会社へ依頼してもよいですか?
マーケティング代行を層ごとに違う会社へ依頼することはできますが、施策どうしがつながりにくくなる点に注意が必要です。
潜在層向けの広告と、顕在層向けの広告や記事がばらばらに動くと、読者が次の段階へ進む導線が途切れやすくなります。例えば、SNS広告で困りごとに気づいた人が、次に読む記事が用意されていない、といったことが起こります。全体の成果を比べるためにも、層をまたいで一続きで設計できる体制を整えましょう。